当初は新聞小説として発表された作品ですが、2007年第41回吉川英治文学賞を受賞しています。
主人公は 『誰か Somebody』 に登場した<杉村三郎>で、今多コンツェルンの会長の娘<菜穂子>との結婚の条件として小さな出版社から、今多グループの広報室勤務になり社内広報誌『あおぞら』の編集作業に携わっています。
冒頭の出だしは、67歳の<古屋明俊>が、コンビニで買ったウーロン茶のパックの中に青酸カリが入れられており、犬の散歩中に死亡する場面から物語が始まります。
広報室でアルバイトに雇った<原田いずみ>が原因のトラブルを主軸に、青酸カリの4件の連続殺人事件を織り込ませながら、<杉村>の人の好い性格を通して、人の心の陥穽の毒気を見事な構成で描き切った一冊でした。
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