今年の読書(31)『願かけ』新・酔いどれ小藤次(二)佐伯泰英(文春文庫)
Mar
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これまでに <酔いどれ小籐次留書> シリーズとして<幻冬舎文庫>から、19巻が発行されていますが、<文春文庫>から 『神隠し』 を一巻目として新シリーズが始まりました。
刃物研ぎを生業としている<小籐次>ですが、その姿に手を合わせ念仏を唱え、賽銭を投げる者が続出、武勇伝から「酔いどれ大明神」に祭り上げられている感が見え隠れするのですが、読売屋<空蔵>や岡っ引き<秀次>親分の調べでも風評の元が探れません。
かたや妻<おりょう>が主催する「芽柳派」の歌会でも、門弟の間で諍いがあり、なにやらきな臭い様相を見せ、二つの騒動は<小籐次>を貶めるための画策だと判明していきます。
10歳の養子<駿太郎>は、本書で実の父だと思っていた<小籐次>が、実は刺客として切り殺された<須藤平八郎>が実の父親と知るのですが、敵相手として今後どう振る舞っていくのかが、シリーズの楽しみでもあるようです。