Blog Thread
- 今年の読書(43)『未来のミライ』細田守(角川文庫)
細田守氏が監督・脚本・原作を手がけた映画『未来のミライ』(東宝配給)が、2018年7月20日に公開されています。本書『未来のミライ』は、細田監督による原作小説になります。
物語の舞台は、横浜市磯子区の一軒家で、中庭に小さな白樫の木がある。建築家のおとうさんは、芸術家肌でマイペース。出版社に勤めるおかあさんは、完璧主義者。長男の<訓(くん)>ちゃんは、甘えん坊の4歳。飼い犬の<ゆっこ>(オス)。そこに妹が生まれ、<ミライ>と名付けられます。おとうさんもおかあさんも<ミライ>ちゃんの世話で手一杯で相手をしてくれません。「今は幸せじゃない」と思った<訓>ちゃんは、腹いせに<ミライ>ちゃんの顔を引っ張ったり、おもちゃで頭を叩いたりします。
<訓>ちゃんが<ミライ>ちゃんの顔にお菓子を並べて笑っていた時、中庭が熱帯の植物で埋め尽くされ、少女が現れた。「おにいちゃん、わたしの顔で遊ぶのやめてよ」と言う少女は、中学生になった未来の<ミライ>ちゃんでした。
時をこえる冒険が、次々と繰り広げられていきます。見知らぬ町の雨上がりの裏通りで、しゃがんでいる少女。薄暗い工場の一角で、オートバイを作っている青年。無人駅のホームで、声をかけてくる男子高校生。<訓>ちゃんが出会う彼らは、いつの時代の誰なのか。冒険を終えた時、<訓>ちゃんはどんな気持ちになるのか・・・。<ミライ>ちゃんは赤ちゃんに戻るのか・・・。ドラマティックな映像や音楽が思い浮かぶような、イキイキとした描写に惹かれる作品です。
- If you are a bloguru member, please login.
Login
- If you are not a bloguru member, you may request a free account here:
Request Account