今年の読書(1)『賞の棺』帚木蓬生(集英社文庫)
Jan
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同じ筋肉の運動に関する研究を進めていた恩師<清原修平>の教え子<津田孝>は、恩師を含め筋肉分野での研究者の不審な死因を探るべく、疑惑の受賞者や関係者を訪ねて、ヨーロッパ各地を巡り歩きます。
悪事の暴露が目的ではなく、真実を明らかにすることが目的となっている点が、好ましい。疑惑追及の旅ですが、単にミステリというに留まらず、人が生きていく上で大切なものを盛り込み、画家を目指しパリで生活している恩師の娘<清原紀子>とのラブロマンスを絡め、また子供が成長する過程において、親子関係が将来に影響する描写も考えさせられるないようでした。
読者としては、犯人の予想がつく中、結末は妥当な締めくくり方かなと思えながら読み終えました。