今年の読書(27)『新任刑事(下)』古野まほろ(新潮文庫)
May
3
やや冗長的な刑事としての細かい仕事内容のてじゅんや描写、しかも作成される各種作成書類がそのものの体裁として、文中に綴じられていた伏線、会社組織にたとえられてゆく警察組織の縦社会の意味合い、刑事としての観察眼の重要性、などが、見事に(下巻)に集約されています。
新任刑事の『原田貢」の面目躍如といった誰もが予想していなかったであろう予想外の結末で、交番所から彼を刑事として引き抜いた「土居」署長の見識等もさすがですが、帯に書かれているように。見事な警察署としての「職場小説」であり、新任刑事としての「成長小説」であり、「本格ミステリー」として楽しめ、伏線の見事さに二度読みしたくなるエンターティナメントでした。
本書は、テレビドラマ並びに映画の実写化が期待できる、刑事ミステリーで、ぜひ一読してほしいおすすめの出来ばえです。