<村上春樹>『一人称単数』@「文藝春秋」
Jul
18
「一人称単数」とは世界のひとかけらを切り取る「単眼」のことです。しかしその切り口が増えていけばいくほど、「単眼」はきりなく絡み合った「複眼」となります。そしてそこでは、私はもう私でなくなり、僕はもう僕でなくなっていく。そして、そう、あなたはもうあなたでなくなっていく。そこで何が起こり、何が起こらなかったのか? 村上ワールドの「一人称単数」の世界に浸れるようです。
収録作品としては、「石のまくらに」、「クリーム」、「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」、「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」、プロ野球・ヤクルトファンの著者らしく「『ヤクルト・スワローズ詩集』、「謝肉祭(Carnaval)」、「品川猿の告白」、(以上、「文學界」に随時発表)「一人称単数」(書き下ろし)、の8編が納められています