今年の読書(78)『13・67(下)』陳浩基(文春文庫)
Oct
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(下巻)には、4.泰美斯的天秤 The Balance of Themis (テミスの天秤 5.Borrowed Place (借りた場所に) 6.Borrowed Time (借りた時間に) の3篇が納められています。
それぞれの物語は、香港返還前後の社会状況を背景としていますので、香港を数回訪れた経験上、九龍や香港島の通り名や地名を懐かしく思い出しながら、読み進められますので、行間からの意味合い以上に一層の現実感をもって各事件が楽しめました。
特に最終章となる、6.Borrowed Time (借りた時間に)は、主人公「クワン」の警官としての原点ともいうべき物語で、信念ともなる「警察の真の任務は市民を守ること」という使命感が強く心に印象付けられる一遍でした。
単行本(2035円・税込)、文庫本(各870円・税抜)の2冊ですが、香港に興味ある推理小説ファンには、ぜひ読んでいただきたいおすすめの一冊です。