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今年の読書(79)『マスカレード・ナイト』東野圭吾(集英社文庫)

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今年の読書(79)『マスカレー...
本書は<東野圭吾>の累計400万部を突破した<マスカレード>シリーズとして 『マスカレードホテル』 ・ 『マスカレード・イブ』 ・ 『マスカレード・ナイト』の第三作目になります。単行本としては、2017年9月に刊行され、文庫本としては、2020年9月25日に発行されています。

一流ホテルである「ホテル・コルテシア東京」を舞台として、捜査一課の若手刑事「新田浩介」と女性フロントクラーク「山岸尚美」の活躍を描いたシリーズとして、2011年に刊行された『マスカレード・ホテル』から3年後が描かれています。

都内のマンションで、ペットトリマーの28歳の「和泉春奈」の部屋を調べろと密告の通報があり、死体として発見されます。その後、密告者から「ホテル・コルテシア東京」の大晦日に行われるカウントダウンパーティー「マスカレード・ナイト」に犯人が参加するという情報があり、「新田」ら捜査一課のメンバーはクリスマス前からホテルに潜入捜査体制として従業員になりすまし警戒態勢を敷きます。

3年前の『マスカレードホテル』と同様に、「新田」はフロント業務につきますが、堅物なフロントマン「氏原」に閉口しながらも、コンシェルジェに格上げされている「山岸」と共に大晦日を迎えるのでした。

文中の主人公たちのセリフを読んでいますと、映画 『マスカレードホテル』 での「新田浩介」役の<木村拓哉>や「山岸尚美」役の<長澤まさみ>のイメージが同調してしまいました。

ホテル利用者たちの側面を伏線に使いながらの構成でしたが、最後の段にて突然少年「曽根英太」の名前と事件背後の供述が始まるのには驚きました。推理小説(ミステリー)の鍵はどんな形であれ、読者にすべて提出しておかなければならないという大基本形から逸脱した流れで、これはどうかなぁと感心しませんが、<東野>ファンの方には全体的に見て楽しめる一冊で、これまた映画化が期待できそうな内容でした。

コンシェルジェの「山岸尚美」も事件解決後、「ホテル・コルテシアロサンジェルス」へ栄転するようで、シリーズ第4作目は日本に戻ってきての、また数年後の事件となりそうです。
#ブログ #文庫本 #読書

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