<郵便切手>(120)イチョウ「63円」
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この〈イチョウ「63円」〉の切手は、2020年8月18日(火)、「おもてなし花シリーズ第14集」の1シート5種10枚のうちの1種として、切手デザイナー<中丸ひとみ>の意匠としてオフセット5色刷りで発行されています。
絶滅したと思われていた生き物が生きていることがわかると、南アフリカで1938年3億5000万年前と変わらぬ姿で発見された「シーラカンス」のように「生きている化石」といわれます。「イチョウ」はその代表的な植物で、「約二億年前に、中国で生まれ、一億年前に栄えていた」と考えられています。しかし、「その後に訪れる氷河期に、イチョウは絶滅した」とされていました。
ところが、江戸の元禄時代、長崎の出島(現在の長崎県)に来たドイツ人の医師<ケンペル>が、「日本に、イチョウの木がある」ことを発見しました。そのため、「イチョウ」は、「氷河期を生き抜いた木」とされ、十九世紀、進化論で知られる<チャールズ・ダーウイン>により、「生きている化石」と呼ばれました。
氷河期を生きのびた「イチョウ」は、平安時代に、中国から日本に渡来しました。「なぜ、日本名が『イチョウ』なのか」が気になります。江戸時代には、「イチョウ」という名前の語源は、一枚の葉っぱなので「一葉(イチヨウ)」といわれ、そのまま「イチョウ」となったといわれました。現在は、「イチョウ」には、「鴨脚」、あるいは、「鴨脚樹」という漢字が書かれます。これは「イチョウ」とは読めませんが、「イチョウ」という名前はこれに由来しているのです。
「葉っぱの形がカモ(鴨)の脚に似ているので中国語で『鴨脚(ヤーチャオ)』といわれて、その音が、『イチョウ』と聞こえ、日本での名前は『イチョウ』となった」とされています。