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- 今年の読書(95)『刑事学校』矢月秀作(文春文庫)
<矢月秀作>としては、アクション系として示談屋・処理屋の異名をとる「影野竜司」を主人公にした 『もぐら』シリーズ や東京臨海中央署地域課に勤める「日向太一」を主人公にした 『リンクス』シリーズ などを楽しんできていますが、新聞広告で著者の『刑事学校Ⅲ卒業』を見つけ、『刑事学校Ⅰ』と『刑事学校Ⅱ』を見逃していたようで、あわてて「Ⅰ~Ⅲ」を購入してきました。
本書の主人公は、大分県警刑事部企画に所属する「畑中圭介」警部補45歳です。「畑中」は、各部署担当の経験を生かし、若手刑事の現場研修を担う刑事研修所(=刑事学校)の教官です。
兵庫県生まれの著者ですが、警察物としては珍しく大分県警を舞台として、それぞれ個性ある6人の研修生(新米刑事)に操作術と刑事魂を教え込むために全国の警察と連携を図り研修を進める「畑中」でした。
そんなおり、「畑中」の幼馴染の「立石」が銃殺死体で発見され、研修生と共に事件解決を命じられます。
導入部は、違法カジノのガサ入れの場面から始まり、「畑中」や6人の研修生の性格がそれぞれ描写されていますので、いい登場人物たちの紹介になっていました。
大分県別府を舞台とし、「畑中」に絡んだ幼馴染の人間関係と、地方都市ならではの問題を絡め、今後の<矢月>流の破天荒な展開が楽しみな幕開けとしての一冊でした。
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