<ゴッホ>の「ひまわり」@「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」
Jan
21
<ファン・ゴッホ>は、初期は暗い色調の農民画などを手掛けていましたが、1886年にパリへ出たのを機に、印象派や浮世絵の影響で、明るい色彩に目覚めます。
「ひまわり」は、いずれも、陽光あふれる南仏アルルへ移住後の1988年8月~1989年1月の制作になります。彼は、<ゴーギャン>とともに暮らす共同アトリエ「黄色い家」の装飾画として「ひまわり」の連作を構想し、8月に4点を完成させました。
今回展示されているのは4作目で、3作目とともに実際、ゴーギャンの寝室に飾られていました。7点のうち、この2点にだけ署名があり、自信作だったことがうかがえます。
本作は黄色の壁の前に、黄色の花瓶に生けた黄色の花を活写。さまざまな「黄」がハーモーニーを奏で、がくや茎の緑との対比が美しい。うねるような筆跡が生々しく、画面全体から強いエネルギーが感じられます。<ゴーギャン>は書簡で、この絵を「フィンセントの作風を本質的に表した完璧な1枚」と褒めたたえています。