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- 今年の読書(10)『令嬢弁護士桜子』鳴神響一(幻冬舎文庫)
本書は前作『令嬢弁護士桜子 チェリー・ラプソディ』(2019年・10月5日・幻冬舎文庫)に続く2作目で、正式な題名は、『令嬢弁護士桜子 チェリー・カプリース』です。
玉川パートナーズ法律事務所に所属する弁護士「一色桜子」は、祖父が購入した土地の賃貸収入で高級住宅街田園調布の一画に住居を構える法曹一家の令嬢です。仕事では一家の運転手「土岐」が運転する高級車「アルナージ(ベントレー)」で移動するという恵まれた環境に身を置いていますが、幼い頃のトラウマから「濡れ衣を晴らす」ことに人知れず執着しています。
「桜子」は、ヴァイオリンの恩師「浦上紗耶香」のコンサートに出向きますが、楽屋で悩みごとの相談があると言われます。ところが、「浦上」は、弦楽四重奏団として舞台の演奏中に停電に見舞われ、演奏中に倒れ、搬送先の病院で死亡。司法解剖で毒殺事件となります。犯人として逮捕されたのは、「浦上」の横で演奏していた第2ヴァイオリンの「小早川弘之」でした。国選の当番弁護士として恩師の事件の被疑者「小早川」の弁護人となった「桜子」ですが、恩師の相談事が事件に関連しているのではと悩みながら、事件の背景を調べるべく動き出します。
ヴァイオリンの名器の鑑定を巡る事件で推理小説を読みなれた読み手としては全体像が読める筋立てですが、改めて楽器としてヴァイオリン業界の裏側が垣間見れる一冊でした。
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