今年の読書(51)『死神さん 嫌われる刑事』大倉崇裕(幻冬舎文庫)
Aug
20
本書には、無罪判決の出た事件の再捜査を専門とし、相棒となった警察官の未来を奪うというところから「死神さん」と呼ばれている警部補「儀藤堅忍」を主人公とする4篇が収められています。
第1話『死神対天使』では、筋弛緩剤を患者に投与した安楽死事件の看護師が無罪となり、「死神」が当時の事件を検視した「川代翔子」と組み、本当の犯人を追い詰めていきます。
第2話『死神対亡霊』では、周りから疎まれている刑事「宇佐見一成」ですが、強盗犯が家主を殴打したと思われた事件の解決に挑みます。
第3話『死神対英雄』では、二人組が金欲しさにスーパーの店長を刺した事件を、警察を辞め現在そのスーパーで働いている元交通課の婦人警官「冨藤歩」を相棒として、事件の真相を探り出します。
第4話『死神対死神』では、一家三人が殺された事件で男が逆恨みから一家三人を襲ったと警察が結論付けた殺人版が明日死刑が執行されるという段階で、最高裁判事の一人が、あれは冤罪ではないかと「死神」に持ち掛けてきます。
相棒と2人で再捜査で未解決事件の真相を突きとめることができるのか。死神と疎まれる警視庁の一匹狼「儀藤堅忍」が証拠を一から洗い直す執念と比類なき推理力で事件を紐解き解決する警察小説でした。
非常にテンポよく読み進められる文章で、飽きることなく最後まで面白く読め、続編を期待したいなと感じたのですが、今秋Huluにて<田中圭>主演で連続ドラマ化されるようで、さもありなんです。