今年の読書(61)『消えそうで消えないペン』岩田稔(ベースボール・マガジン社)
Oct
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<岩田稔>は大阪桐蔭高2年時に「1型糖尿病」を発症しています。本書によりますと、高校3年の夏、ある大企業の社会人野球チームから内定を取り消されています。
<岩田稔>は常に血糖値測定器とインスリン注射器を持ち歩き、1日4回インスリン注射を打たなければなりません。
本書で岩田氏は、1型糖尿病は、生活習慣病である2型とは異なると強調しています。誤解を避けるためにも、〈インスリン欠乏症〉といった新しい名称に変えることを提案しています。
<岩田稔>は2021年シーズン終盤に球団から戦力外通告を受けました。通告に<岩田稔>は動揺することなく、自然に感謝の言葉を球団側に伝えたといいます。その夜、中学生と小学生の子供たちにも現役引退を伝えています。
2020年10月1日、<岩田稔>は甲子園での中日戦に先発。6回3分の2を無失点で抑え、454日ぶりの勝利を挙げています。この勝利が現役最後の白星となりました。
同じ病を抱える人たち、その家族や、悩みを抱えるすべての人へのエールとなる一冊です。