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- 今年の読書(32)『お探し物は図書室まで』青山美智子(ポプラ文庫)
単行本としては2020年11月に刊行、文庫本として2023年3月5日に発売されています、<青山美智子>の『お探し物は図書室まで』の文庫本の帯には「2021年本屋大賞第2位!」の文字、タイトルに「図書室」とくれば、気になる一冊として手に取りました。
それぞれ独立した5つの短篇が収められています。最後は各短篇の登場人物たちが見事に関連してくるという構成力の高さに感心して読み終えました。
自分の生き方や転職、ニート生活・退職後のすごしかたなど、それぞれの人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで小学校に併設されたコミュニティーハウス内にある小さな図書室を訪れたところから物語は始まります。
図書室には司書見習の「森永のぞみ」とレファレンス担当の司書「小町さゆり」がいます。不愛想なのにどうしてだか聞き上手で、彼らの探している本だけでなく、関係ないと思われる本をセレクトして一冊追加して教えてくれます。そして羊毛フェルトでつくられたその人専ならではの可愛い付録のキーホルダーと共にてわたしてくれます。
各登場人物たちは、「小町さゆり」が特別に選んでくれた一冊を通して、自分自身が本当に「探している物」に気がつき、人生の新しい一歩を踏み出していく明日への活力が満ちていく心温まる物語でした。
「森永のぞみ」と司書の「小町さゆり」との関係も一つの物語が隠されていてこちらも心温まる伏線となっています、
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