12日、フィリピンの検閲当局は今月19日から全国公開が予定されています米映画『バービー』(日本公開2023年8月11日)について、上映の際には南シナ海における中国独自の境界線「九段線」が描かれているとして物議を醸している地図をぼかすよう、配給元に要請していると公表しています。
米ワーナー・ブラザースが配給する『バービー』は、バービー人形をテーマに、<グレタ・ガーウィグ>が監督し、<マーゴット・ロビー>と<ライアン・ゴズリング>が出演するファンタジー・コメディーです。
『バービー』をめぐっては、ベトナムが先週、「九段線」を示した地図が登場するとして同作の上映を禁止したと報じられていました。これを受け、フィリピンの検閲当局も精査を行ったようです。
検閲当局は、「漫画的な地図」に「九段線」は描かれていないが、「アジア」と書かれた大陸の周りに破線の点が8個書き込まれ、フィリピン、マレーシア、インドネシアは地図上で明示されていないと指摘。さらに、「バービー」が「バービーランド」から「現実世界」に空想の旅をするルートが描かれていますが、これはストーリー上欠かせないものだとした上で、物議を醸している波線をぼかすようワーナーに要請したとしています。
「九段線」とその囲まれた海域に対する中国または台湾の主張の歴史的権利について、2016年7月12日、ハーグの常設仲裁裁判所は「法的根拠がなく、国際法に違反する」と判断(南シナ海判決)を下しています。
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