【全国消費者物価指数の推移】
29日の閣議に、<後藤茂之経済財政担当相>は2023年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出しています。バブル崩壊後の1990年代から断続的に続いてきたデフレ経済について、「(長年停滞してきた)わが国の物価や賃金が動きだしつつある」と指摘。デフレ脱却の好機を見逃してはならないとしています。
デフレは企業の投資や賃上げの抑制などを通じ日本経済の低成長の要因となってきました。足元ではロシアのウクライナ侵攻や円安を背景に物価が高騰し、23年1月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比(4.2%)上昇と41年4カ月ぶりの伸びとなっています。
ただ、この物価高騰はエネルギーや食料など輸入物価の上昇が主因です。白書ではそれらに左右されにくく、需給や賃金の状況に連動しやすい旅行や教育などサービスの多くは価格上昇率が0%近辺にとどまっています。このため、デフレ脱却の定義である「物価が持続的に下落する状況を脱し、再びそうした状況に戻る見込みはない」状態には当たらなく、デフレ脱却には至っていないと判断しています。
一方、財(モノ)・サービスともに価格が上昇している品目に広がりが見られます。4月にはサービスの定価改定頻度が消費税率引き上げ前後を除いて2001年以降最高となっています。2023年春闘で30年ぶりの高い賃上げ率となったことも受け、「デフレ脱却に向けた動きが出てきている状況だ」と分析しています。
その上で(経済財政白書)は、労働者全体への賃上げの波及や、企業の販売価格へのコスト転嫁を後押しし、賃金と物価が共に上昇する好循環が連続的に起きる経済環境を整えることが必要だとしています。
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