15日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、前週末比1円円安・ドル高の「1ドル=154円20〜30銭」で取引を終えています。一時は「1ドル=154円45銭」と1990年6月以来、約34年ぶりの円安・ドル高水準を付けています。この日の円の高値は「1ドル=153円86銭」でした。
15日発表の3月の米小売売上高が市場予想を上回りました。米長期金利が約5カ月ぶりの水準に上昇(債券価格は下落)し、日米金利差の拡大を受けた円売り・ドル買いが優勢でした。
小売売上高は前月比(0.7%増)と市場予想(0.3%増)を大幅に上回りました。2月分も(0.9%増)に上方修正され、2カ月続けて高い伸びとなりました。金融引き締めが続くなかでも労働市場の強さなどを支えに米消費が減速しておらず、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを先送りするとの見方が強まりました。米長期金利は前週末比(0.14%)高い(4.66%)と、昨年11月中旬以来の水準に上昇する場面がありました。
円は下げ渋る場面もあり、154円台に下落し、米政府・日銀による円買いの為替介入への警戒感が強まりました。イランがシリアにあるイラン大使館周辺への空爆に関与したとみられるイスラエルに報復し、中東の緊張が高まる可能性が意識され、リスク回避で主要通貨に対するドル買いが目立った一方、低リスク通貨とされる円を買う動きもありました。