23日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3営業日続落し、前日比1円65銭円安・ドル高の「1ドル=152円70〜80銭」で取引を終えています。米連邦準備理事会(FRB)の利下げが緩やかになるとの見方から米長期金利の上昇が続き、円売り・ドル買いを誘いました。一時は「1ドル=153円19銭」と
(7月31日)以来の円安・ドル高水準を付けています。円の高値は「1ドル=152円47銭」でした。
米10年債利回りは一時(4.26%)と7月下旬以来、約3カ月ぶりの水準に上昇でした。米経済が想定以上に底堅く、(FRB)の利下げペースが緩やかになるとの見方が強まっています。
11月5日投開票の米大統領選挙で共和党候補の<トランプ前大統領>が勝利した場合にインフレ圧力が高まる可能性が意識されています。どちらの候補者が選ばれても政府支出が増え、米財政赤字は拡大するとの見方があります。米長期金利が高止まりするとの観測が円の重荷となりました。
日銀の<植田和男総裁>が米東部時間23日午後の国際通貨基金(IMF)主催のイベントで「適切な利上げ幅を決めるのは非常に難しい」などと述べています。インフレ見通しは変化しているものの、非常にゆっくりだとも指摘でした。市場では、特に(金融政策の正常化に積極的な)タカ派よりでも(利上げに慎重な)ハト派よりでもなかったとみられています。
一方、<石破茂首相>による日銀の追加利上げに消極的な発言などを背景に、日米の金利差縮小には時間がかかるとの見方が強まっています。