2日午前の東京株式市場で日経平均株価は小反発し、午前終値は前週末比11円98銭(0.03%)高の3万8220円01銭でした。前週末の米半導体株高を支えに朝方は買いが先行しましたが、買いの勢いは乏しく、指数寄与度の大きいファストリへの売りが強まると、日経平均は下げに転じました。前引けにかけて押し目買いで再び日経平均はプラス圏に浮上するなど方向感を欠いた流れになっています。
ファストリをめぐっては、<柳井正会長兼社長>が中国の新疆ウイグル自治区産の「新疆綿」を「使っていない」と発言したことを受けて中国のSNSで反発の声が出て、中国事業への影響が警戒されています。ファストリ株は前引け時点で(2.4%安)となり、日経平均株価を110円ほど下押ししています。
日経平均株価が3万8000円を下回りますと、押し目買いが入りました。日銀が18〜19日の金融政策決定会合で追加利上げに動くとの観測が強まるなか、銀行株や保険株が上昇し、東証株価指数(TOPIX)はプラス圏で推移でした。
午前は日経平均が下げる時間帯が多くありましたが、市場では、ファストリの下落寄与度が大きいだけで、地合い自体はそれほど悪くないとみられています。
一進一退と方向感を欠く展開が続きましたが、午後に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用利回りを引き上げると伝わり、株式の組み入れ比率の上昇に伴い株式の需要が高まるとの思惑から買いが優勢になりました。
終値は、前週末比304円99銭(0.80%)高の3万8513円02銭で終えています