8日の米株式市場でダウ工業株30種平均株価は朝高後に下落しています。米債券市場で長期金利が上昇(債券価格は下落)しており、株式の相対的な割高感を意識した売りが優勢となっています。
8日朝の米債券市場で長期金利が一時(4.73%)と2024年4月以来の高水準を付けました。20日に米大統領に就任する<トランプ>が「国家経済緊急事態の宣言を検討している」と米CNNが8日朝に報じています。関税引き上げを早期に実現する狙いがあるとみられ、インフレ再燃への警戒が高まりました。
取引開始直後にダウ平均は小幅に上昇する場面がありました。エヌビディアやマイクロソフトなどが上昇し、指数を支えています。前日にハイテク株を中心に米株式相場が下げた後で、主力株の一部を買い直す動きがでています。米連邦準備理事会(FRB)の<ウォラー理事>は、8日の講演でインフレ率が中期的に(2%)の目標に向かうとの見通しを踏まえ、「さらなる利下げが適切だ」との考えを示しました。
8日朝発表の2024年12月のADP全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数は前月比12万2000人増と、市場予想(13万6000人増)を下回りました。一方、週間の米新規失業保険申請件数は20万1000件と、市場予想(21万5000県)以下でした。市場では10日発表の2024年12月の米雇用統計を見極めたいとの雰囲気があり、売買の材料にはならず、米長期金利が水準を切り下げると主要株価指数は上げに転じるなど、金利にらみで売り買いが交錯する展開となりました。
ダウ平均株価は、前日比106ドル84セント(0.25%)高の4万2635ドル20セントで終えています。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価は、前日比10.80ポイント(0.055%)安の1万9478.88で終えています。
S&P500種株価指数は、前日比9.22ポイント (0.16%)高の5918.25で終えています。