一握の砂と読んで、
砂場で遊んだ夏の思い出となっちゃうと、
ちょっと話がすすめられなくなりますが、
これは石川啄木の短歌集ですね。
「一握の砂」と「かなしき玩具」とが、
一緒に入っている文庫本です。
中学生のころ読んでそれから幾星霜、
また最近になって読んでみたのですが、
中学生のころの印象はもう覚えてもいませんが、
いま読むとなかなか面白いですね。
石川啄木という26歳で死去した文学人だが、
この「一握の砂」を読んでいるとその鋭い感性になんとも驚くばかりだ。
独りよがり的な短歌も多く鼻持ちならんところもあるのだが、
一瞬のその場の映像を止めてしまう才能は素晴らしい。
信じられないくらいだ・・・。
ただ現実と創作性行のギャップを抱えている苦悩が、
にじみ出ているところもあり、
けっこう重い・・・。
この「一握の砂」のなかでも、
北海道を巡る歌には名歌の連続で、
ため息なしでは読めない素晴らしいう短歌が並んでいる。
潮かおる北の浜辺の
砂山のかのはまなすよ
今年も咲けるや
雨に濡れし夜汽車の窓に
映りたる
山間の町のともしびの色
雨強く降る夜の汽車の
絶え間なくしずく流るる
窓硝子かな
うす赤く雪に流れて
入り日影
広野の汽車の窓を照せり
まだかなり続くのですが、
北海道時代は名歌が多いですね。
一人称の歌が多いので、
その辺は好みが分かれると思いますが、
情景描写ほんとに鋭さがありますね。
久しぶりに読み応えがありました。
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Posted at 2009-09-07 17:10
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Posted at 2009-09-08 15:56
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Posted at 2009-09-07 17:24
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