今朝の日曜美術館アートシーンの頭で、紹介されていましたね。最後、巡回展の紹介のバックとして映っていたのが、「釉下彩陽刻翡翠鯉文大花瓶」です。見ていない人は、今晩再放送されますので、見てください。この翡翠の部分が、「多色の釉下彩」と紹介されていますが、まあ、イングレイズの可能性は否定できません。香蘭社や深川製磁は、20世紀の初め、イングレイズの作品を結構作っていますからね。なお、この「多色の釉下彩」という言葉は、私が作って流行らした言葉です。やっと、少しずつですが、いろいろなところで使われ始め、浸透してきています。硬質磁器において、この「多色の釉下彩」で絵付けすることが、いかに難しいことかを理解しなければなりません。マイセンやセーヴル、そして、日本の有田、眞葛、西浦なども、19世紀から20世紀初めにかけて、苦労したところです。結局、マイセンは「多色の釉下彩」をあきらめてイングレイズにほとんど移行し、セーヴルは1280℃で焼成する新硬質磁器を開発して、パート・シュル・パートやエナメルなどと1,2色の釉下彩を組み合わせて、アールヌーヴォー磁器をつくりました。
写真は展覧会の図録と論考集です。九州陶磁文化館館長の鈴田由紀夫先生が監修しています。鈴田先生は、昔から日本陶磁器の釉下彩について解説しており、前のロイヤル コペンハーゲンの展覧会のときは、いろいろ参考にさせていただきました。もちろん、今回、鈴田先生も執筆しておりますし、元出光美術館の学芸員で、板谷波山の研究における第一人者である、現在、学習院大学教授の荒川正明さんも執筆しております。
12月から岐阜で始まる「アールヌーヴォー装飾磁器」展の図録原稿をそろそろ執筆しなければならないので、参考資料として両方とも購入しました。今回は「多色の釉下彩」をメインに出してまとめたいと考えています。さあ、そろそろ書き始めないと..
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Posted at 2015-09-28 01:55
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Posted at 2015-09-28 07:30
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Posted at 2015-09-28 14:31
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Posted at 2015-09-29 08:11
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