LANケーブルの性能試験の項目で重視するのは「NEXT」です。 これは、Near・End・Cross(X)・Talkの事で、頭文字をとってNEXTと呼びます。 NEXTにはPSNEXTもありますが、まずNEXTの読み方を説明します。 これはFLWのデータから読み解きます。 ①は最悪マージンで、NEXT値がFLUKEの定めた規格(基準値)との差が11.2dbとなり 最悪値です。この時の規格は42.9dbで、NEXT値54.6dbとの差になります。 3.6と7.8のペアでの値であることも示されています。 ②は最悪値で、NEXT値が49.9dbで①より更に下に振れていますが、規格は周波数に反比例 し下がっているため、マージンは最悪にはなりません。ここが重要なポイントです。 NEXT値は下がれば、下がるほど良くありませんが、規格との差(マージン)が重要と されます。周波数が高くなればツイストの効果は低下しCrossTalkは増大するための 補正です。 ③はこれをグラフで表示しています。①の最悪マージンの周波数67MHzでの下振れが 最悪マージンとなっています。ここで重要なのは、このグラフの形状です、ピンポイント で下部振れがあるのか、全体なのかの判断が必要です。全体である場合はケーブルとして の不安定要素が高くなりますが、ピンポイントでかつ周波数が低い場合には、何らかの 共振での低下である事を指しています。 これらの判断は更に専門知識が必要で、今回はここまでとします。 わかお かずまさVegaSystems 📷📷📷📷📷📷 #LAN_PRO #Bloguru
電力伝送で最も重要なのは電線径、情報伝送(LAN)の場合は伝送特性でこちらは Cat.5e/6/6e/6a/7/8などで表されます。 ※Cat.7は規格にないとの意見がありますが、それはプラグ部分の制定でトラブった ためで、ケーブルとしては存在し、その性能も実質的には担保されています、規格 等は米国が制定しているに過ぎず、それを真に受け、現物の精査もせず声高に、 言い募るのは如何かと考えます。 LANケーブルの場合、電線径は特段の定めはありませんが24AWG前後を中心に性能 測定が行われています。 AWG:アメリカン・ワイヤー・ゲージの略、電線径を指すが、数値は線径と反比例 するので要注意、24AWGより23AWGの方が線径は太い。 SQR(SQ):スクエア、断面積のこと、これは数値と断面積は比例する。日本国内では よく使われる。呼称は「スケ」、8sq:はちすけ などと呼びます。 ※実際の電気工事などの現場では配電盤までの引込に、このクラスの電線径を用いる 8/14/22等。それ以下の屋内工事には、1.6mm (いちろく)2.0mm(にみり)、2.6mm (にいろく)が使われ、この場合は「すけ」では呼称しません。 1.6X2なら「いちろくにしん」2.0X3は「にみりさんしん」等と呼びます。 LANではPoE以前は、Catのみが重要視されてきましたが、PoEが普及して現在では、 Catのみならず、AWGも重要です。 特にPoEの場合、その用途から多くは30m以上の電線長となるため、電力伝送と同様に 電線径が重要です。 IEEE802.3at/afの場合なら、30/15w程度のため、電流量からおおきな問題にはなり せんが、bt規格(90W)では、線長における電圧降下が問題となります、実際には 23AWGなどを採用するのが無難です。 わかお かずまさVegaSystems 📷📷📷📷📷📷 #LAN_PRO #Bloguru
あの阪神大震災から28年が経ちました。 今日の日の出は地平線に雲があり、そのせいで光輪を見ることが出来ました。 わかお かずまさVegaSystems 📷📷📷📷📷📷 #LAN_PRO #Bloguru #kuma_ichinomiya #VegaSystems #photography_Ichinomiya #GFX50S2 #sunrise_ichinomiya #Sunset_ichinomiya #日の出_一宮 #夜明け_一宮
図のように、FLUKEの測定項目は複数あり、それらが何を指すかは、以下の ページにあります https://jp.flukenetworks.com/findit/pod/9829490?lsd=gpc-tech ※要保存、検索キーワードを知らないとたどり着けません お読みいただいて、直ちに理解出来る方は少ないと思う。 読解するには、伝送理論の基礎知識が必須ですが、この理論は数式がやたら多く、 実験等を交えないと本質を掴めない。 LANケーブルに限っても、高い周波数での伝送ロスの実体験がないと理解が難しい。 よって、合格・不合格のみを頼るのは無理からぬことと思うのですが、10G伝送時代 では、距離や設置環境、信号伝送量(幹線か支線か)など、様々な条件での判断が 必要となるので、どうしてもデータの読み取りが必要となります。 例えば、NEXTは小さい程良いと上記の資料には書かれているのですが、実際の値は 最悪マージン等と記され、値が小さいと「悪」とされています、この部分が理解 出来るのでしょうか? 「つづく」 わかお かずまさVegaSystems 📷📷📷📷📷📷 #LAN_PRO #Bloguru
LANケーブルの検査の目的は、性能の良いケーブルを特定することですが、ここで 改めて性能について記します。 LANケーブルの性能として「速度が早い」との要求が一番だと思いますが、この「速度」 についての説明です。 理屈を言うようですが、電子の移動速度は同じであるため、信号の早い遅いはありません。 当然ですが、LANケーブルには信号を増幅する機能はありません、ただ通過させるだけです。 しかし、クライントは「速い」を求めます。 この速いは、実は損失が少ない事を指します 伝送回路(LANケーブルのこと)で、一番重要な性能は、如何に損失を少なくするかです。 電力伝送も信号伝送もこれは同じですが、電力伝送はエネルギー(質量)の移動で あるため、通過時の抵抗を減らす等で対応します、この抵抗が熱損を生み、エネルギー ロスになるからです。 信号伝送は、エネルギー伝送ではありませんが、この抵抗も損失になります。 信号伝送での損失、特にLANケーブルでは「雑音」での妨害が一番大きいのです。 この雑音、外部からではなく、内部つまり「身内同士」の干渉から生まれます。 メタルLANケーブルは現在99.99%がツイストペアで構成されていますが、この形状は 様々な問題がありますが、加工が簡単、絶対コストが安いなどのメリットが大きいため 採用されています。 それでは、この雑音についての解説です。 近年の電話はすべてデジタル化され、アナログ時代の「混線」を体験することは出来なく なりました。 この「混線」は、アナログ電話ではよく発生しました、電話中に耳をすますと、小さな 音で他の通話が聞こえるのです、これを通信用語では「漏話」といいます。 英語ではCrossTalkです。 この漏話は、言ってみれば雑音です、人間なら無視する事が出来ますが、伝送回路では 簡単に無視出来ません、一定以上の大きさとなると、本来の通信の邪魔になってきます。 これは人混みでの会話と同じで、周囲の雑音が大きいと、会話の妨げとなり、きき直し ・繰り返しが必要となります。 実は、LANでも同じ事になります。雑音が大きい場合には、「よく聞き取れない」ため 再度送ってくれ。こんな仕組みが導入されています、これにより同じ信号量でも、雑音 の有無によって伝送時間が変化することになります。 これが実質的には「速度」の変化となります。良い性能のケーブルは、この「雑音制御」 が良く出来ている事なんです。 LANケーブルテスターは、この雑音制御のレベルを様々な方法で試験し、データ化して います。安価な「導通」のみと高額なテスターの差は、この「雑音測定」にあるのです。 「つづく」 わかお かずまさVegaSystems 📷📷📷📷📷📷 #LAN_PRO #Bloguru
FLUKEでの試験データを読み解くには、本体の表示のみでは不十分です。 このため、 1:ケーブル試験 2:結果保存 3:USB等に書き出し 4:PCで展開 となります この展開時に使うアプリがLinkWareで、FlukeのサイトからDLが出来ます。 これはは最新版が必須で、Ver情報を常にチェックする必要があります。 次回は実際のデータを使って解説します。 「つづく」 わかお かずまさVegaSystems 📷📷📷📷📷📷 #LAN_PRO #Bloguru
LANケーブルの性能は、ケーブル本体とプラグ部分の総合性能ですが、プラグ部分の 性能向上には限界があります。それは元々撚り合わせることで維持した性能を、この プラグ内で解かねばならず、この対応には限界があるからです。 このため、FLUKE社も1000Baseの段階で、プラグ部分の試験は中止しています。 ただ、10Gの段階でアダプターを交換することで、プラグ試験を可能にしていますが、 これには幾つかの問題があります。 実際にはプラグ単体での動作はなく、必ずジャックとの組み合わせとなるため、この ペアで試験せなばなりませんが、ジャックメーカは無数に存在し、概略構造には 規格があるものの、その細部の仕様はマチマチです。 そのジャックとプラグ(これもマチマチ)の結合試験は、FLUKE社の用意したアダプター で正確な値など出るはずがありません。 ケーブルのみの試験なら一定の信頼性がありますが、プラグ部分は不確かとか言いよう がありません。 このためケーブル試験をしっかり行い、あとは実際の伝送状況をチェックする事で、 試験は完結すべきです。 ただし、10Gともなるとケーブル自体の良否の判定も難しくなります、そこでデータを 読み解く必要があります。 「つづく」 わかお かずまさVegaSystems 📷📷📷📷📷📷 #LAN_PRO #Bloguru
LANケーブルの性能試験には現在、このFLUKE社のテスターが最も用いられています。 性能試験でなければ、沢山のテスターがありますが「性能」となれば、この機器しか 実質ありません。 このテスターは、「合格」「臨界合格」「不合格」などの判定がありますが、この判定 のみでの判断は問題があります。 判定には、様々なデータを読み解く事が必要ですが、作業者の多くは、この読解をして いません。今回は連続シリーズで、この読解について解説します。 その前に、LANケーブルの生い立ちについて触れます。 LANケーブルは、イーサネット方式が主流と定まったころは、10Base2/5でした。 これは同軸ケーブルを使用する方式のた、現地での加工が面倒かつ、ネットワークは 一本のケーブルにすべて接続せねばならず、実質的多数のPCの接続には難点がありました。 そこで、電話線の接続形態(RJ-11)を改良したRJ-45でのプラグが作成され、HUBでの 接続が可能となり、現地加工や多数の接続が飛躍的に改善されました、これが10Base-Tです。 10Base-Tでは伝送帯域(通信速度)に限界があるため100Base-TXへの改善が行われ、 帯域は改善され速度は向上しましたが、このころからインターネットが普及段階に 入り、WAN側の伝送速度が向上してきました、ADSLなどの普及です。 ※100BaseTXは二対の伝送回路を送信、受信用定め、通信をおこなう形式です。 さらに、LAN環境を利用した、クライント・サーバー方式のデータベースが普及し、 LAN環境化の伝送帯域のさらなる増大は必要となります。 これに対応したのが、1000Baseが計画されましたが、使用するLANケーブルの 伝送特性が問題となり、効率的である1000Basse-TXは普及せず、当時のCat5の改良型 Cat5eでも使用可能な1000Base-Tが採用されることに傾きました。 この方式は4対にそれぞれ250MBpsを「送受信」させる方法で、送信・受信を同じ 回路で行うため、切り替えを必要とする厄介な設計ですが、これを電子回路DSPで 解決しました。しかし当初はDSPの効率が悪く、HUBがオーバーヒートする問題や、 送受信の切り替えが4対間でノイズの発生を助長する結果となり、ケーブルはもとより プラグ内での干渉が大きな問題となりました。 この解決のため、プラグやケーブルの改善が頻繁に行われました。1000Bsseが安定 したころ、今度は10Gの要望が出始め、さらなる機材の改善が求められ現在に至って います。 このため、テスターもこれらに追随し進化しています。 ケーブルもCat5e>Cat6>Cat6e>Cat7>Cat6a>Cat8と進化しています。 ※Cat6eはSANWAがCat6aの制定前に商品化したため、伝送理論を理解しない「規格信者」 から「マガイモノ」とされた時期がありますが、これはすでにエイリアンクロストークを 理解し対応をしていた製品です、名称はCat6aは制定される前で証明が出来ます。 これらの伝送帯域が高い周波数に及ぶことで、様々な問題が発生し、その対応のため テスターも進化しています。そのため測定には十分な知識と使用経験が必須となり、 単純に合格・不合格ではなく、データ諸元を読み解く能力が要求されるのです。 「つづく」 わかお かずまさVegaSystems 📷📷📷📷📷📷 #LAN_PRO #Bloguru