あれだけ暑さにうな垂れていた夏 枯れ葉がちらほら落ちる風は ぎとぎとした精神をからからと 何処かへ飛ばしてしまう ひと夏の想い出というほど 飛び跳ね喜んだこともなかったが 過ぎてしまった寂しさを感じるのは 今年の夏も幸せだったのだろう
秋のすんっとした青空に 僕らはひと夏の想い出を 留めるように雲を実らせ ぷかぷか浮かべば楽しや 寂しや悔しや許せや心に 成長という括りが丸まり 心の身を肥しながら笑う 秋が垂れるほど白くなり 何処へ行こうか風まかせ
私が担当している MY DEAR の公式ツイッターで、秋の詩を皆さんからアップしていただき、纏める企画の第二弾を発動しました。先の「秋の栞」企画はとて素晴らしい作品が集まり、こんなに嬉しいことはありませんね。ありがとうございました。→ https://togetter.com/li/1142373 引き続き「垂れ腹」もよろしくお願い致します!
大きな顔の彼が、Are you happy ? 吹き出しで言っている 俺も、Are you happy ? と、答えずに訊いてみた 彼はやはり、Are you happy ? 俺は、Are you happy ? 繰り返して…… 彼の顔は電車によって遮られた それが少し寂しかった どうした今日の俺…… ツイている、座れたのはいいが 寝過ごしていまいそうな ビクビク感を引きずり出勤だ ああ、帰って自分の寝床で眠りたい 俺は小学生かよ そんなひとり会話をしながら 今日も行く 働かぬもの食うべからず 家族のために頑張るは自分の幸せ そこまで人間が出来ていない俺は やはり自分の寝床で眠りたい Are you happy ? I am very sleepy.
頷いて首を振る今日に 生まれた孤独と向き合い そんなに強くもなれなくて 落ちるほどに笑う術を身に付け 無様な納得に救われる 微かに生かされている根拠 疑問の淵を歩き始めた時から 孤独と孤独が手を繋ぐことを知り 呼吸を合わせ姑息を覗く 喜びへ向かうことには怯えつつ 最後までいいと寄り添う 重ねた手の先にある僕の余命と君の未来 奇跡を遠ざけたままの二重螺旋 僕らは「ごめんなさい」を繰り返しながら その手を離すことだけは拒んでいる
くれない くれない なんの歌 ゆらゆら かさかさ らららら くれない くれない なんの歌 ひらひら きらきら らららら くれない くれない なんの歌 くるくる にこにこ らららら くれない くれない なんの歌 くれない くれない あきの歌
ミサイル発射のニュース 電車が全線で運転を停止すると ホームにアナウンスが流れても 電車は扉を開け走り出す 危険へ向かっているのか 安全へ向かっているのか わからないが職場へ向かっている タブレットで たまたま見ていた戦後の写真 洋服もなく子どもたちがゴザの上で寝ている 衣食住もままならぬ過去があり 明日を生きれる保証もなかった時代 それは未来への警鐘として響いていた だけど電車は今日も走っている 情報に踊らされながらも走っている 当たり前の今日に揺られながら 危険へ向かっているのか 安全へ向かっているのか わからないが職場へ向かっている
気にしない詩を綴ろう 誰かが何かを言おうとも ご機嫌に歌ってしまおう 好きでやっていて それで商売になっている 訳でもないのだから 南国でハワイアン男子なって ふあふあしながら黄昏の夕陽を浴び ビルの谷間でダブレットに触れ 君にも歌わない 親友にも歌わない 親にも歌わない 尊敬する詩人にも歌わない あいつが沈んでしまう前に すれ違うひとの肩がぶつかり ふらついたとしても 派手に踊って詩を綴ろう 気兼ねなんて要らない 僕が僕だけの詩を綴るのに ひとの空気なんて気にしていたら 中途半端に沈むだけだからさ 気にしない詩を綴ろう まったく気にしない詩を綴ろう