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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(44)『ダ・ヴィンチ刑事』加藤実秋(双葉文庫)

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今年の読書(44)『ダ・ヴィン...
本書『ダ・ヴィンチ刑事』は本格的な刑事推理小説ではなく、バディーを組んだ二人の凸凹刑事が事件を解決する3篇が収められ、2023年5月13日に文庫書下ろしとして発売されています。

警視庁楠町西署の刑事「小暮時生」38歳は三女一人の子を育てながら、離婚した姉「仁美」と家事に仕事に奮闘する日々を送っています。ある日、季節外れの人事異動で本庁から一人の刑事がやって来ますが、深紅のスケッチブックを携えた男の名は「南雲士郎」でした。「ダ・ヴィンチ刑事」とあだ名される彼は、東京藝大絵画科卒という異色の経歴の持ち主でした。

楠町西署では「小暮」は「南雲」とバディを組むことになりますが、2人には12年前の本庁勤務時代に未解決事件となった連続猟奇殺人事件「リプロマーダー事件」を共に追っていた過去がありました。「小暮」は今でも自宅の屋根裏部屋で、「リプロマーダー事件」の資料を読み捜査を一人続けているのでした。

3つの事件解決後に、「リプロマーダー事件」の続きと思われる殺人事件が発生した所で本書は終わりますが、文庫本の帯には「第2巻、今夏発売予定!」とありました。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(43)『天空の魔手』濱嘉之(文春文庫)

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今年の読書(43)『天空の魔手...
多方面の分野と多くの作家の娯楽小説を読み続けていますが、文庫本として発売が待ち遠しい代表格は、<今野敏>の『隠蔽捜査』シリーズと〈濱嘉之>の『警視庁公安部・片野坂彰』シリーズです。

<濱嘉之>の本書『天空の魔手』は、2023年5月10日に『隠蔽捜査』シリーズ5冊目として文庫書下ろしとして発売されています。このシリーズは単行本が刊行、2.3年して文庫本化というお決まりの流れでは、《今という現在》の《旬》としての楽しみが薄れてしまいますので、文庫書下ろしでの発売は嬉しい限りです。

本書ではウクライナ問題が取り上げられ、ロシアの〈ぷーたろう〉、中国の〈習チンピラ〉、ワグネイルの〈プリコジフ〉など《旬》の登場人物たちや話題が取り入れられ、いつもながら世界情勢の流れが読み取れる内容で、とても面白く読み終えれました。

冒頭では地方のドローン競技大会や新進のゲームソフト会社の記述で始まり、<片野坂彰>の行動がわかりませんでしたが、彼は中国による台湾侵攻への対抗策として、ある恐るべき構想を持っていました。一方チームの面々は、ロシアの急所となる情報を入手すべく欧州に集結し、ロシアに乗り込んでいきます。今回は、第5の新人として6か国語を操る「壱岐雄次」が新規加入してのお披露目の要素もあり、激変する世界情勢のなか、日本を守る公安マンたちの活躍を大胆に描いています。
#ウクライナ #ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(41)『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』坂本龍一(新潮社)

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今年の読書(41)『ぼくはあと...
今年3月に亡くなられた<坂本龍一>の単行本『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』(2090円)は、月間『新潮』の2022年7月号から2023年2月号に連載されました<坂本龍一>の自伝『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』を一冊にまとめています。

死期を悟った<坂本龍一>からの提案で始まった本企画では、音楽制作や舞台芸術について、また<吉永小百合>や<SUGA(BTS)>をはじめとする著名人との交流など、聞き手として編集者・ジャーナリストの<鈴木正文>が担当して、幼少期から57歳までの人生を振り返った『音楽は自由にする』の2009年を継ぎ、最晩年までの活動を闘病の様子も交えながら自らの言葉で振り返り足跡を未来に遺す決定的自伝です。

 本書では<鈴木正文>が「著者に代わってのあとがき」を記しており、そこには生前の<坂本龍一>がパソコンやiPhoneにつけていた日記の一部も引用されています。

日記には手術を受けたあとの気持ちなどがつづられたほか、YELLOW MAGIC ORCHESTRA(YMO)でともに活動した<高橋幸宏>が死去してから約1カ月後の今年2月18日には「NHKの幸宏の録画見る/ちぇ、Rydeenが悲しい曲に聴こえちゃうじゃないかよ!」と記されていたといいます。

単行本カバーに採用されたのは、<坂本龍一>が療養のために訪れたハワイで出会っ90年以上年以上前に作られたピアノの写真です。彼はこのピアノをアメリカ・ニューヨークの自宅に持ち帰り、「自然に還すための実験」と称して庭で野晒しのままにしてきたといいます。そのほかにも、本書には東日本大震災後の「津波ピアノ」との出会いなど、自然と人間の関係についてのエピソードが、たびたび登場しています。
#ブログ #単行本 #読書

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今年の読書(40)『伏龍警視・臣大介』神野オキナ(小学館文庫)

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今年の読書(40)『伏龍警視・...
<古野まほろ>の『新任警視(上・下)』に続いて、警視総監、警視監、警視長、警視正に次ぐ第5位の階級として規定されている「警視」を主人公とした<神野オキナ>の『伏龍警視・臣大介』は、2023年5月7日文庫本として発売されています。

この階級からが、いわゆる「キャリア組」と「ノンキャリア」との大きな壁として刑事物には定形的に描かれている作品が多く見受けられます。キャリア組は7年目で目で一斉に、いわゆる準キャリア組は15、6年目前後で「警視」に昇任しますが、「ノンキャリア」の場合は昇任すること自体が非常に難しいとされ、最も早く昇任できたとしても45歳前後であり、その差は歴然としてあるようです。

主人公「臣大介」は警視庁から沖縄県警へ管理官として出向していました。13歳の娘「 臣雪乃」は、日本最大与党の衆議院議員の父を持つ「姉」の14歳になった「多和多華那」と沖縄独特の「姉妹制度」の仲間内で開いていた「華那」の誕生日を兼ねたパーティを愉しんでいました。パーティ会場からすぐ近くの部屋でしたのだ。その日偶然、持病のある雪乃を迎えに来ていた父、沖縄県警管理官の「臣大介警視」は、パーティー会場に出向き火災を発見、娘たちを救い出すことになりますが、その救出中に思いがけなく、「大介」は刺殺体を発見してしまいます。

被害者は有名経済系文化人「新堀兵衛」の「金庫番」の<井上幸治>でした。時を同じくして突然死した捜査一課長の後任として、「大介」は現場の指揮に当たりますが、警視庁から沖縄県警に移って半年のため、馴染みのない沖縄独自の風習と警察組織が壁となります。捜査が難航する中、<井上幸治>に恋人をレイプされた「瑞慶覧旅人」が自首してきますが、事件は思わぬ方向に展開していきます。

本書は沖縄の歴史的背景と現状を踏まえて、沖縄ならではの警察官や警察組織の流れを描き、「臣大介」が沖縄に出向させられた背景を匂わす描写があり、また警視庁二課の従妹「奥瀬真紀」の登場と絡めて、今後も続巻が続くシリーズになりそうな予感がしています。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(39)『スタジオジブリ物語』鈴木敏夫(集英社新書)

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今年の読書(39)『スタジオジ...
「大事なことは、鈴木さんが覚えておいて!」といわれた記憶をたどるとしたら、今しかない!」とあとがきで書かれているように、スタジオジブリ代表取締役プロヂューサーの<鈴木敏夫>が、『風の谷のナウシカ』から最新作『君たちはどう生きるか』まで、40年の全奇跡として27作品を24章でまとめています。

1984年公開作『風の谷のナウシカ』をきっかけに生まれた「スタジオジブリ」です。2001年製作『千と千尋の神隠し』は公開当時に日本歴代興収第1位を獲得、第75回アカデミー賞では長編アニメーション賞を受賞しています。また美術館やパーク運営にも乗り出すなど、その活動はアニメーション製作のみにとどまっていません。

「スタジオジブリ」の波瀾万丈な軌跡をたどる本書では、試行錯誤のうえに生まれる企画、スケジュールと闘う制作現場、時代を捉えた宣伝戦略、独自の経営法まで、その過程のすべてが公開されています。
#アニメ #ブログ #新書 #映画 #読書

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今年の読書(38)『新任警視(下)』古野まほろ(新潮文庫)

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今年の読書(38)『新任警視(...
単行本では1冊ですが、文庫本では2分冊となり、『新任警視(上)』(495ページ)に続く『新任警視(下)』(542ページ)です。

「やっと読み終えた」というのが、正直な感想です。多くの警察小説を読んできていますが、最後まで物語に《ノル》こともなく読み終えました。

<古野まほろ>は、元警察キャリアの著者らしく警察組織の世界は《飽きるほど》事細かな描写でしたが、私には、退屈で特段必要性を感じさせる描写だとは思えませんでした。

推理小説としての謎解きは、カルト集団〈まもなくかなたの〉の毒薬「キューピッド」で毒殺された前任の公安課長でしたが、肌身離さず持っていたフロッピーディスクが盗まれたことから、県警内部に〈まもなくかなたの〉のスパイがいたことを匂わし、県警も〈まもなくかなたの〉内部にスパイを送りこんでおり、事件の解決も刑事警察の手法と異なる公安警察独自の手法で描かれており、ネタバレになりますので詳しいことは書きませんが、推理小説として伏線的に最後には回収していますので、それなりに楽しめました。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(37)『新任警視(上)』古野まほろ(新潮社文庫)

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今年の読書(37)『新任警視(...
著者<古野真帆路>による新潮文庫『新任巡査(上・下)』・『新任刑事(上・下)』に続き、警察組織としての階級が上がり『新任警視(上・下)』ですが、シリーズとしての連続性はなく、それぞれ独立した小説として構成されています。この『新任警視(上)』は、2020年5月に単行本が刊行され、2023年4月1日に文庫本が(上・下)分冊として発売されています。

(上巻)として495ページありますが、ほぼ9割は警察組織の説明で、これはお仕事小説かと思いながら、読み進めるのに疲れました。

筋だけでいえば、東大法学部卒のいわゆる警察キャリアであり、わずか二五歳という若さで警視に昇進した主人公である「司馬達」は、警視としてのキャリアの出発点として、東京を離れ、愛予県警の公安課長として赴任しますが、赴任の前夜に東京出張の愛人「本栖充香」と最後の逢瀬を楽しみ、いざ赴任する前に、前公安課長「宇喜田」が、カルト集団の毒薬「キューピッド」にて警察庁舎内で殺害されるという事件が起こり(上巻)は終わります。

瀬戸内海に面した、レトロな温泉街が有名な愛予県にはカルト集団〈まもなくかなたの〉の総本山があります。また、愛人の「本栖」が憲法学者として務める愛予大学があります。

公安課長として、カルト集団滅亡のため、67人の直属の部下たちを動かし無事に前任者の殺人事件を解決するとともにカルト集団の滅亡の手柄を立てることができるのかが、(下巻)となるようですが、こちらも解説文を含めて542ページあります。
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今年の読書(36)『殺し屋商会』柴田哲孝(双葉文庫)

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今年の読書(36)『殺し屋商会...
『小説推理』に掲載されました4篇と書下ろし1篇を加えた短編小説集として、2023年5月13日に文庫本として発売されています。

面白そうなタイトルで、著者<柴田哲孝>の作品は、『中国毒』を面白く読み終えていますので、手にしてみました。

主人公は、「殺し屋商会 復讐代行相談所」を名乗る「水島亜沙美」と、父「クズリ」譲りのリボルバー「S&W・M36」を使用して殺しを実行する「ロンホワン」です。

前半4篇は、法律でさばききれない事件の犯人への恨みを殺人という代行で復讐を果たす事件が続きます。

元通産相の官僚が、ブレーキとアクセルを間違えて車を暴走させた事件の遺族、歌手の娘が恋人からDVを受けて自殺した俳優の父親、児童虐待で子供を死に追いやった母親とその若い愛人、外道プロダクションに摂取され続けるAV嬢の事件など、どこかで見聞きしたような事件を主軸に、「ロンホワン」の銃が決して許される正義ではありませんが、復讐の代行をしていきます。

最後の一篇は、「ロンホワン」の出自に関して短編でした。意外な週末を迎えますが、自作が読めるのかは今後の期待になりそうです。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(35)『MRエムアール(下)』久坂部羊(幻冬舎文庫)

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今年の読書(35)『MRエムア...
(34)『MRエムアール(上)』に続く『MRエムアール(下)』です。

追いつめられた天保薬品酒井営業所長の「紀尾中」とその部下たちは、韓国に出向きライバル社タウロス・ジャパンの新薬「グリンガ」への反転攻勢のため死力を尽くします。

ようやくガイドラインの行方に決着が見えたころ、かねてより「紀尾中」が大学と共同で進めていたがんワクチンの「安富ワクチン」研究を邪魔する新たな敵が今度は社内に現れます。出世欲に燃える上司の妨害に過去の醜聞まで調べられ絶体絶命の「紀尾中」でした。さらに「万代社長」までが、会社利益優先の行動を見せます。常に「患者ファスト」の信念で仕事をこなしてきた「紀尾中」と会社組織との対立を頂点に、医療分野の影の存在の〈MR〉の世界が楽しめ読み応えのある経済小説でした。
#MR #ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(34)『MRエムアール(上)』久坂部羊(幻冬舎文庫)

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今年の読書(34)『MRエムア...
医者で作家は数多くいますが、<久坂部羊>もデビュー作品『廃用身』・神戸を舞台とした『無痛』で強烈な印象を持った作家のひとりで、『嗤う名医』以来久しぶりに手にした本書『MRエムアール(上・下)』は、2021年4月に単行本が刊行され、2023年4月10日に文庫本2冊として発売されています。

上巻の書き出しからなかばにかけては、舞台となる大阪に本社を置く中堅製薬会社・天保薬品酒井営業所の社員たちが〈MR〉としての経歴や仕事としての理不尽な体験談の記述が続き、読者に〈MR〉(メディカル・リプレゼンタティブ:医薬情報担当者)という個性ある登場人物たちを顔見世的に描いています。

天保薬品、その堺営業所所長であり、〈MR〉の「紀尾中正樹」は、自社の画期的新薬「バスター5」が高脂血症の「診療ガイドライン」第一選択Aグレードに決定するべく奔走していました。決まれば年間売上が1000億円を超えるブロックバスター(=メガヒット商品)化が現実化します。ところが、難攻不落で〈MR〉泣かせの大御所医科大学学長からようやく内定を得た矢先、治験の論文発表の場で外資のライバル社タウロス・ジャパンの「鮫島淳」による苛烈な妨害工作によって、一転「バスター5」はコンプライアンス違反に問われてしまいます。

窮地に追い込まれた「紀尾中」以下、堺営業所MRチームの社員はタウロス・ジャパンの新薬「グリンガ」の治験データーに疑問を持ち、調べ始めます。息を持つかせぬ文章力で、医薬業界の表と裏を描いたビジネス小説が楽しめた上巻でした。
#MR #ブログ #文庫本 #読書

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