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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(16)『県警の守護神』水村舟(小学館)

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今年の読書(16)『県警の守護...
<水村舟>の本書『県警の守護神 警務部監察課訴訟係』は、第2回警察小説新人賞受賞作品です。警察小説といえば、殺人事件を扱う捜査一課モノが主流ですが、サブタイトルの「警務部監察課訴訟係」という珍しい部署で気になりました。警察が訴えられたときに対処する部署です。
 
主人公は交番勤務の新人女性警察官「桐島千隼」です。上司と共にパトカーで現場に向かう途中、バイクの自損事故を目撃し救助に向かいます。助けようとした「千隼」はひき逃げに合います。数日後病院で目を覚ますと、バイクの少年は亡くなっており、その責任を巡る民事訴訟を起こされていました。
 
そんな彼女の元へやって来たのが、監察課訴訟係の「荒城巡査長」です。裁判では無敗の〈県警の守護神〉と呼ばれている男で、元裁判官で弁護士資格を持つ警察官でした。「千隼」の話を聞いても、大事なのは事実ではなくて嘘をついてでも裁判に勝つことという姿勢で、正義に憧れて警察官になった「千隼」には、納得できません。
 
警察小説ですが、裁判にどう対処するか、どんな証拠や証人を準備して作戦を立てるかというリーガル小説の醍醐味も合わさり、「荒城巡査長」ノキャラクター、「荒城」と「千隼」の対立と友情、原告側代理人の辣腕女性弁護士との戦いが楽しめた一冊でした。
#ブログ #単行本 #読書

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今年の読書(15)『帆神』玉岡かおる(新潮社)

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今年の読書(15)『帆神』玉岡...
著者<玉岡かおる>は、兵庫県三木市生まれということで、大正から昭和初期にかけて日本一の年商を誇った商社・鈴木商店を、女主人<鈴木よね>の視点で描き織田作之助賞を受賞した『お家さん』、皇室御用達百貨店「高倉屋」の礎を築いた女主人の人生を追った『花になるらん―明治おんな繁盛記―』など、関西発祥の企業を題材にした経済歴史小説や阪神間の話題や出来事の著作『神戸ハートブレイク・ストリート』や『タカラジェンヌの太平洋戦争』などがあり、兵庫県・淡路島在住の<湊かなえ>さんと同様に気になる女性作家の一人です。
 
本書『帆神』は、2021年8月26日に単行本として(新潮社)より刊行され、2023年11月29日に文庫本として発売されています。
 
江戸後期、姫路藩・播州高砂の漁師から身を起こし、兵庫津で廻船問屋を営む海商にまで上り詰めた「松右衛門」は、千石船の弱点である帆に目を付けます。帆の改良で船が速くなれば流通が盛んになり、民の生活が潤います。「松右衛門」は試行錯誤の末、板のように強く、羽のように軽い「松右衛門帆」を発明します。
 
仕事とは金のためでなく、世のためにするものだの信念のもと、現在の神戸市兵庫区で廻船問屋として北前船を駆る一大海商に成長する物語です。その船を駆って蝦夷に行き、ロシアから領土を守るために、択捉島の埠頭や箱館のドックを築造します。
 
「新巻鮭」を発明したのも「松右衛門」だと言われています。日本海運の革命児「工楽松右衛門」を描いた痛快な物語でした。
#ブログ #北前船 #文庫本 #読書

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今年の読書(16)『巡査たちに敬礼を』松嶋智佐(新潮文庫)

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今年の読書(16)『巡査たちに...
元警察官として『女副署長』で華々しくデビューしました<松嶋智佐>の最新刊『巡査たちに敬礼を』が、2024年3月1日に文庫本として発売されています。
 
『小説新潮』に2018年9月号から2022年3月号まで掲載されました6篇が収められています。
 
『障り』では、41歳のバツイチ・子持ちの交通課係長「槇田水穂」が、同じ警察官の元夫の28歳の再婚相手の観察官とのやり取りが描かれ、娘「淳奈」の登場がのちに生きてきます。『罅(ひび)』での、事故係に異動したばかりの若手巡査「蝦川マナ」の、駐車違反にまつわる意外な結末や、『拝命』での、昇任試験を控えた女性警官、『南天』での警察学校在学中運動場の国旗掲揚台での殺人事件、『穴』では、登山にて行方不明になった少女の捜索に出た生活安全課少年係で女性機動隊所属の「内野実咲」の景観としての矜持、『署長官舎』では、郊外の所轄署に勤める定年退職目前の署長「五明」が、行方不明になる事件の真相を追い求める刑事でない総務課の「丸の篤史」の活躍などがおさめられています。
 
解説の<あさのあつこ>さんは、これは警察小説ではないと書かれていましたが、世代もキャリアもバラバラな彼らの前に立ちはだかる仕事と人生の問題を、リアルな人間味に溢れた〈巡査〉としての生き方を描いているのは、まさに警察の舞台ならではの胸に迫る短編集でした。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(15)『デイヴィッド・リンチ 幻想と混沌の美を求めて』イアン・ネイサン(フィルムアート社)

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今年の読書(15)『デイヴィッ...
アメリカ映画史上「最も過激で、強烈で、奇妙で、滑稽で、恐ろしく、深遠で、忘れがたい作品」を生み出した映画監督<デヴィッド・リンチ>の評伝『デイヴィッド・リンチ 幻想と混沌の美を求めて』(3520円)が、2024年2月23日にフィルムアート社から発売されています。
 
映画『イレイザーヘッド』(1977年)・『エレファント・マン』(1980年)・『デューン/砂の惑星』(1984年)・『ブルーベルベット』(1986年)・『ワイルド・アット・ハート』(1990年)・『ロスト・ハイウェイ』(1997年)・『マルホランド・ドライブ』(2001年)・『インランド・エンパイア』(2006年)やテレビシリーズ『ツイン・ピークス』(1990年~1991年)・『ツイン・ピークス The Return』などで観る者を魅了し、挑発してきた<デヴィッド・リンチ>です。本書は〈リンチアン(Lynchian)”を理解するための探究書です。
 
〈リンチアン〉とは「リンチの映画ならではのスタイル、感覚、雰囲気、物語の語り口、登場人物のタイプ、ジャンルのアレンジ、話し方、風景、街、ユーモアとホラーの融合、現実というベールの向こう側への旅、心の奥底にある欲望の考察、リンチが故郷と呼ぶ国の奥深くへの探検」を意味する言葉です。
 
本書では<デヴィッド・リンチ>の長編映画10本とテレビシリーズ2本を詳しく解説し、貴重な場面写真やオフショットとともに〈リンチアン〉の謎に迫ります。
#ブログ #単行本 #映画 #映画監督 #読書

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今年の読書(14)『推しの殺人』遠藤かたる(宝島社文庫)

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今年の読書(14)『推しの殺人...
本書『推しの殺人』は、2024年第22回「このミステリーがすごい大賞」の「文庫グランプリ受賞作(応募時作品名『溺れる星くず』」です。
 
3人〈ルイ・テルマ・イズミ〉の3人は、大阪で活動する女性地下アイドル「ベイビー★スターライト」のメンバーですが、それぞれ様々な問題を抱えて危機的な状況にありました。
 
尊大な事務所社長「羽浦」のもと、「ルイ」は24歳の古参としてアイドルに見切りを付けようと悩み。センターを「イズミ」に奪われた「テルマ」は以前の輝きが無くなり、グループ内での人気格差が生まれ、恋人から暴力を受けているセンター「イズミ」でした。
 
そのような中で、「ベイビー★スターライト」はさらに大きな問題に見舞われます。メンバーの「イズミ」が事務所で社長「羽浦」を殺してしまいます。「イズミ」のDVのあいては社長でした。別れ話のはずみで社長を殺害、「イズミ」の罪を隠蔽するため、「ルイ」と「イズミ」は死体を山中に埋め、殺人事件の隠ぺいを図り、社長を行方不明にしようと企みます。
 
あとがきにも書かれていましたが、歯切れのよい文章と小気味よいテンポで、アイドル業界の裏面も垣間見られ、楽しめた一冊でした。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(13)『プライド2 捜査手法』濱嘉之(講談社文庫)

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今年の読書(13)『プライド2...
<濱嘉之>の「プライド」シリーズとして、『プライド 警官の宿命』に続く第2弾『プライド2 捜査手法』が、2024年1月16日に文庫本書き下ろしとして発売されています。
 
著者の小説はその時代の旬の話題・政治情勢を背景としているのが多く、単行本の刊行から文庫本化される2年ほどの間に時代遅れになる感がありますので、書き下ろし作品は読者としてありがたい配慮です。
 
さて、『プライド 警官の宿命』では、主な登場人物となる「高杉隆一」・「本城清四郎」・「大石和彦」の幼馴染3人の警察官としての経歴の幕開けでした。
 
本書では、現場一筋で暴力団の未解決事件を追う「本城清四郎」を主人公として、ヤクザと国会議員、そこに癒着する新興宗教団体が複雑に絡み合う事件の真相を追い求めていきます。
 
読書記録のために簡単にあらすじをまとめようと試みましたが、再読しても複雑な展開を手短にまとめるのは難しく、読んでいただくのが一番です。登場する新興宗教団体は今話題の「旧統一教会」を匂わせ、国会議員とのからみも秀逸で、面白く読み終えました。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(12)『プライド 警官の宿命』濱嘉之(講談社文庫)

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今年の読書(12)『プライド ...
好きな作家のひとり<濱嘉之>は、「警視庁公安部・青山望」シリーズ・「院内刑事」シリーズ・「警視庁公安部・片野坂彰」シリーズなどを読んできていますが、この度「プライド」シリーズが加わりました。
 
本書『プライド 警官の宿命』は、2022年9月15日に文庫本書下ろしとして発売されています。
 
濱嘉之の待望の新シリーズ「プライド」は、肩書の縦社会である警察組織における高卒ノンキャリの下剋上物語です。 
 
田園調布管内の3つの駐在所に務める警官の父親には、一人ずつ息子がいました。
高卒で「実務能力ゼロ」の「高杉隆一」、要領よく生きてきた私大卒の「本城清四郎」、
子どもの頃から優秀で東大卒の「大石和彦」の3人は、剣道を通じての幼馴染でそれぞれ警察の道に進み、熾烈な訓練とそれぞれの組織にもまれていきます。3人を中心に三つ巴となる屈辱と栄光と友情の警察物語が描かれていきます。
 
本書では、主人公となる3人が警官ともなるべき人生の過程がそれぞれの立場で描かれ、読者に3人の警官人生の背景を知らしめるべき序章で、今後の3人の警官としての歩みが楽しみな幕開けでした。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(11)『ウルトラマン ニュージェネの証 』切通理作

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今年の読書(11)『ウルトラマ...
「ニュージェネレーションウルトラマン」初期5作品を扱った<切通理作>の書籍『ウルトラマン ニュージェネの証 『ギンガ』、『ギンガS』、『X』、『オーブ』、『ジード』&ゼロ』が、1月31日に(3850円・ホビージャパン)より発売されています。
 
『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』で初登場した〈ウルトラマンゼロ〉が切り開いた「ニュージェネレーションウルトラマン」シリーズです。<切通理作>による本書では、〈ウルトラマンゼロ〉の関連作や、〈ウルトラマンギンガ〉・〈ウルトラマンギンガS〉・〈ウルトラマンX〉・〈ウルトラマンオーブ〉・〈ウルトラマンジード〉に参加した40人以上の関係者へのインタビューを A5判/全576ページにまとめた1冊となっています。
 
第1章「現場スタッフ」の項目には<アベユーイチ>(『ウルトラマンギンガ』メイン監督)、<原口智生>(『ウルトラマンギンガ』監督)、<石井良和>(『ウルトラマンギンガ』『ウルトラマンギンガS』監督)、<坂本浩一>(『ウルトラマンギンガS』『ウルトラマンジード』メイン監督)、<田口清隆>(『ウルトラマンX』『ウルトラマンオーブ』メイン監督)、<小中和哉>(『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』メイン監督)といった監督陣が登場。
 
第2章「脚本家」の項目では<長谷川圭一>(『ウルトラマンギンガ』シリーズ構成・脚本)、<小林弘利>(『ウルトラマンX』ほかシリーズ構成・脚本)、<黒沢久子>(『ウルトラマンX』ほかシリーズ構成・脚本)、<乙一>と<三浦有為子>(『ウルトラマンジード』シリーズ構成・脚本)のインタビューが掲載されています。
 
第3章「出演者」の項目には<根岸拓哉>、<宇治清高>、<坂本浩一>による「ウルトラマンギンガS」座談会、<高橋健介>と<田口清隆>による「ウルトラマンX」座談会、<濱田龍臣>と<坂本浩一>による「ウルトラマンジード」座談会のほか、<最上もが>(『ウルトラマンギンガS』アンドロイド・ワンゼロ/マナ役)、<坂ノ上茜>(『ウルトラマンX』山瀬アスナ役)、<石黒英雄>(『ウルトラマンオーブ』クレナイ ガイ役)が登場。また、キャラクターデザインの<後藤正行>、スーツアクターの<寺井大介>(『ウルトラマンギンガ』ほか)、<岩田栄慶>(『ウルトラマンX』ほか)らにも話を聞いています。
#インタビュー #テレビドラマ #ブログ #単行本 #読書

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今年の読書(10)『神戸・生田の杜から日本を考える』加藤隆久(アートヴィレッジ)

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今年の読書(10)『神戸・生田...
著者の<加藤隆久>氏は、昭和9年岡山県生まれ。甲南大学文学部卒業、国學院大學大学院文学研究科専攻。修士課程を修了し、生田神社の神職を務める傍ら大学で教鞭をとり、神戸女子大学教授、生田神社宮司を経て現在は生田神社名誉宮司です。
 
〈神社〉とは「神と出会い、人々が交わるコミュニティー・センター」であるという持論の下、阪神・淡路大震災から復興した生田神社には、古代から現代までの不屈の歴史が刻まれていますが、生田神社と神戸の歴史をわかりやすくたどります。
 
学者神職として、明治の国づくりと神道、神仏習合の歴史、神道と日本人の心性を紐解き、神戸と日本を見守ってきた著者が、グローバル時代の神道として、国際宗教都市としての神戸から、混迷を深める日本と世界に告げるメッセージが収められています。
#ブログ #単行本 #宮司 #神社 #読書

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今年の読書(9)『冬の狩人(下)』大沢在昌(幻冬舎文庫)

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今年の読書(9)『冬の狩人(下...
2023年12月10日に文庫本として(上・下)2分冊として発売されています。(8)『冬の狩り人(上)』に続く『冬の狩り人(下)』です。
 
なかなか大量殺人の所轄署のH県警に出頭できない消えた重要参考人「阿部佳奈」は、何者かに命を狙われ続けていました。H県で彼女を保護しようとする新宿署の「佐江」とH県警の「川村」に、謎めく殺し屋『中国人』の魔の手が迫ります。県警内の裏切り者、地元本郷の大企業の乗っ取り計画。事件の背景が明らかになる時、三年前に惨劇が起きた料亭「冬湖楼」が再び修羅場と化します。
 
裏社会の描写では、著者の独特の世界観と描写で、読み手を引き付けていきます。「佐江」の相棒として組んだ「川村」もこの事件を通じて、刑事として一皮むけた感じです。「狩人」シリーズとして、今後も刑事として再び登場してきそうな設定でした。
 
筋金入りのマル暴刑事「佐江」と愚直な新米デカ「川村」でしたが、「狩人」シリーズ屈指の異色タッグが恐るべき陰謀に立ち向かう!、圧巻のスケールで描ききるノンストップ・エンタテインメントとして、楽しめた『冬の狩人』でした。
#ブログ #文庫本 #読書

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