2021年 本屋大賞候補に選ばれました『六人の嘘つきな大学生』 の著書<浅倉秋成>による『俺ではない炎上』は、2022年5月に刊行され 。2024年6月15日に文庫本として発行されています、
SNSの炎上をテーマに展開し、無実の中年男が罪をなすりつけられ逃亡するという展開で、最後にはお得意のどんでん返しが展開する、痛快なミステリー小説に仕上がっています。
「住吉初羽馬」は、公園で女性を殺害したと思われる画像を掲載した【血の海地獄】と書かれたツイートを発見し、リツイートします。投稿はすぐに拡散され、発信者は大帝ハウス大善支社営業部長の「山縣泰介」だと特定されます。
しかし「泰介」は女性を殺害しておらず、それどころかTwitterをやったことすらありませんでした。全く身に覚えの無い「泰介」は、ただのイタズラだと事態を軽く見ていましたが、ツイートが炎上し、正義感を振りかざした世間が「泰介」に制裁を加えようとします。
やがて警察からも追われるようになった「泰介」でした。大善署の刑事「堀健比古」は、「泰介」の家族に聞き込み調査などをする内に、事件について疑問を抱きます。また「泰介」の娘の「夏実」は、クラスメイトの「江波戸琢哉」と共に自分自身も巻き込まれた事件について調べ出します。
「泰介」の逃亡劇の結末は? 「泰介」のSNSになりすました犯人は誰なのか? 「住吉初羽馬」や「山縣泰介」・「夏実」・「江波戸琢哉」・「堀健比古」などの登場人物たちの目線でスピード感のある文体で物語は進み、ラストには思わぬどんでん返しが待っていました。