今年の読書(6)『後悔と真実の色』貫井徳郎(幻冬舎)
Jan
16
いわゆる「警察小説」の部類になりますが、とても重厚な内容の一冊でした。
若い女性の叫び声を聞いたとの通報で、近くの交番所から制服警官が出動しますと、すでにナイフで刺殺された後でした。殺害犯は、手の人差し指を切断しているところから、物語は始まります。
前半は警察内部の複雑な人間関係の軋轢や駆け引き、ステレオタイプ化された刑事の家庭環境などが殺人事件の捜査と共に描かれてゆき、後半から一気に意外な結末に集客されていきます。
第二第三の殺人事件が、ネット社会の象徴である「掲示板」を用いて予告が行われ、捜査陣をあざ笑うかのように警察を出しぬき実行されてしまいます。
主人公である捜査一課の<西条>は、独特の推理で犯人像に迫ってゆくのですが、政治的な力が加わり、愛人問題も露見して警察を退職せざるをえなくなります。
出世や名誉欲のない<西条>は、ホームレスにまで身を落としますが、持ち前の推理と愛人を殺されたことにより犯人に辿り着きますが、家庭を壊し愛人を死なせた「後悔」の念は消えません。
このあと<西条>は、どのような人生を歩むことになるのか、気がかりになる終わり方でした。
Posted at 2013-01-16 05:36
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Posted at 2013-01-16 14:41
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Posted at 2013-01-17 23:26
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Posted at 2013-01-19 01:35
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