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- 今年の読書(30)『あるキング』伊坂幸太郎(徳間文庫)
仙醍(せんだい)市を本拠地とする、万年最下位のプロ野球チーム<仙醍キングス>の熱狂的なファンの父と母のもとに、男児<王求(おうく)>が産まれますが、その日は<仙醍キングス>の監督がなくなった日でもあります。
0歳児から野球の英才教育を受けてきた<王求>は、高校時代までホームランバッターとして名を馳せますが、自分が暴行を受けた相手を<父>が殺してしまい、「人殺しの子」と噂される中、高校を中退せざるを得ません。
紆余曲折の生活の中、偽名を使い<仙醍キングス>にプロテストで入団、数々のホームラン記録を塗り替えてゆきますが、「人殺しの子」が活躍する姿に嫉妬を覚える監督がとった行動で、<王求>は・・・。
キーワードとしてシェークスピアの『マクベス』の言葉が散りめられ、同作品に出てくる魔女三人がいい味を添えています。
なんとも荒唐無稽な場面もあるのですが、ひとつのエンターティナメントとして楽しめました。
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