今年の読書(38)『PINK』柴田よしき(文春文庫)
Mar
22
何回となく見てきています、大震災の爪跡が残るメリケンパークに当時のままの姿で保存されている岸壁のイラストでした。
主人公の<メイ>は、大震災で婚約者の<由紀夫>を亡くしますが、実家のある東京でお見合いをして外科医の<達也>と結婚、夫の転勤に伴い芦屋に引っ越しています。
実父の病気見舞いのため、五日ほど家を留守にするのですが、帰宅してから<達也>のしぐさや行動が依然と違うことに悩まされます。この辺りは、女性作家ならではの感性だと感じました。
懇意にしている宗教家の教祖<奈津美>の占いによると、身の回りに「桃色の影」が見えるとのお告げを受けますが、<メイ>には意味が分かりません。
そんな折、<メイ>の昔の同僚が絞殺される事件が起こり、<達也>が犯人として警察に逮捕されてしまいます。
神戸を舞台に、「記憶の喪失と愛の再生」を主題にしたミステリー、面白く読み終えました。
それにしても、以前にも大震災の神戸を舞台とした 『ピンクの雨』(新野彰子) がありましたが、なんだか<桃色>づいている神戸のようです。
Posted at 2013-03-22 17:01
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Posted at 2013-03-23 02:23
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