シングルマザーの<遊佐ひろ子>は、保育園児の息子<友也>と帰宅中に、ちょんまげに日本刀を腰に差した侍姿の男と遭遇します。
奇妙な言動の男は<木島安兵衛>といい、文政9(1826)年の時代から180年後の2006年の現在にタイムスリップしてきたことがわかり、警察に相談しても埒が明かないかと考え。自分のマンションに住まわせることになってしまいます。
居候の<安兵衛>は食事等の恩義を感じ、本来は女がすべき「うち向き」の掃除や料理を手伝っているうちに、ケーキ作りに芽生えプリンは<友也>の大好物となり、テレビ番組のケーキコンテストで優勝、一躍時の人となり彼は<ひろ子>のマンションンを引き払いテレビタレントとして忙しい日々を過ごすことになりますが、<友也>は父親代わり的な<安兵衛)がいなくなり落ち込んでしまいます。
結末的にどうなるかという読者の心配をよそに、突然に<安兵衛>は姿を消してしまいます。<ひろ子>・<友也>とも江戸時代に戻ったんだと納得せざるを得ないある日、偶然にはいった和菓子屋で「江戸阜凛(プリン)」なる製品を見つけ、創業者が<木島安兵衛>だと知り、江戸時代に戻って和菓子屋を創業したことがわかるという、ほのぼのとした読後感で物語は終わります。
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