冒頭には、<この小説は実際の事件を発想の発端にしているが、フィクションであり事実とは異なる>と書かれています。
本書には6編の短篇が収められていますが、タイトル通り身近な事件や出来事が掲載されている新聞の三面記事をもとに、著者は自分の事件として大胆な想像力でそれぞれのストーリーを独自の目線で組み立てています。
同僚の教師を殺して自宅に埋めていた男は、区画整理のため26年ぶりに警察に自首する話し、メールで交際相手の妻へ嫌がらせを依頼する依頼人、自分の息子と同じ16歳の高校生に溺れる38歳の主婦、妹に嫉妬して最後は刺殺してしまう姉、年老いたアルツハイマーの母を絞殺してしまう息子の苦悩等、日常的に起こり得る人間社会の縮図が、詰め込まれた一冊でした。
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