30代でパニック障害を起こし鬱病に悩み、50代を超えてようやく著者自身が落ち着いて自分の人生の全体を眺めながら書いたエッセイ集が本書です。
医師として作家としての四半世紀を振り返り、新たに自分自身の「からだ」と向き合う日常が、研ぎ澄まされた感性で綴られています。
ペンネームの「南木」は、祖母のように地に足の着いた暮らしを営む人たちの生き様を描く作家になりたかったから、出身地である群馬県嬬恋村の浅間山麓一帯を指す言葉の「南木山」が由来であることを知りました。
母を3歳で亡くし、祖母に育てられた著者ですが、「質素で平凡で、他人の悪愚痴を言わずに営んでいた静かな暮らしの中にわたしを置いてくれたことである」の文章は、なぜか自分自身の子供の頃の想い出と重なり、切ない気持ちで読み終えました。
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