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- 今年の読書(99)『望月青果店』小手鞠るい(中公文庫)
主人公<鈴子>は55歳、ニューヨーク州の北部の田舎町で民宿「リトル・アップル」を一歳年下の全盲の夫<誠一郎>と営み、盲導犬<茶々>と暮らしています。
<鈴子>の元に岡山県旭川にある実家から、母親<咲恵>の体調が悪いとの知らせが入り、帰国する準備を済ませているところ大雪で停電、身動きが取れなくなります。
物語は今の<鈴子>と<誠一郎>のアメリカでの幸せな結婚生活を描きながら、子供のころからの<鈴子>と母親<咲恵>との確執を縦糸に、また初恋の相手<隆史>との思い出と約束を横糸として絡め、<鈴子>の歩んできた人生模様を見事に織り上げていきます。
母と娘、結婚と仕事、人間の倖せとは何か、人生とは何かを全7章の構成として、ほんのりとせつなく読者に語りかける一冊でした。
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