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- 今年の読書(114)『鷹野鍼灸院の事件簿』乾緑郎(宝島社文庫)
鍼灸院の専門学校を卒業した<五月女真奈>は、院長<鷹野夏彦>の助手として勤めていますが、<鷹野>はなぜか往診ばがりで、また<真奈>自身にも直接指導することはありません。
そんな<鷹野鍼灸院>を舞台として、鍼灸にまつわる5話の中短篇が納められています。
少しばかりおとぼけの<鷹野>の所見能力が素晴らしく、その洞察眼でもってトラブルを解決するとともに、生真面目な<真奈>とのやり取りが小気味よく展開されていきます。
同級生の<小日向友梨>や、オーストラリア人の<クロエ・ブランデル>などの脇役陣も個性的で楽しめました。
まったく知らない鍼灸の世界で、<置針・関元・巨刺(こし)・鍼灸カスミ鍼>などといった専門用語が多く散りばめられ、専門学校の実情や医師との兼ね合いなど、著者自身が鍼灸師の資格を持っているだけに面白く読み終えれました。
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