読み終るなり、著者の仕組まれた技巧的な全体構成に、ただただ驚くばかりでした。
プロローグとエピローグの間に4篇の物語が納められていますが、どの作品も作家を目指し同人誌に参画している6人の男女が語り手であり、小説の作者として登場しています。
彼らはパソコンのチャットルーム「星の海」に集まり、それぞれ星座のハンドルネームを責任者である<カストロ>から名付けられ、お互いに実名も住所も知らない仲間たちです。
そんなメンバーの一人<ベガ>が、仲間のメンバーらしき人物から脅迫電話を受け、自殺に追い込まれてしまいます。
最終章にて冒頭のプロローグの意味合いが俄然意味を成してきて、読者は前半の三話に書かれていた伏線の巧妙な配置と結末が楽しめる一冊でした。
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