今年の読書(18)『誰でもよかった』五十嵐貴久(幻冬舎文庫)
Feb
7
喫茶店には店員と客を合わせて10人が人質となり、警視庁の交渉人として<渡瀬博之>警部補が担当、犯人との息詰まる攻防が始まります。
犯行に使われていた軽トラックから、犯人は29歳のコンビニバイト<高橋浩二>と判明、「ワイドショを賑わしたい」・「有名になりたい」との台詞が飛び交いますが、本当の彼の目的が<渡瀬>には突き止められません。
縦社会の警察組織として上司の命令には逆らえませんが、なぜか理不尽な課長の命令を前線にいる<渡瀬>や地元渋谷署の<斉藤誠>警部補は訝りながらも、<高橋>に対して必死の交渉を続けますが、籠城事件は思わぬ結末を迎えます。
刻々と時間が経過してゆくなかでの攻防戦は迫力があり、結末が気になり最後まで一気に読んでしまいました。