< 札梨側が前部(画像:新潟大学助教授<大森紹仁>氏提供 >
脳や肛門を持たず、謎の多い海生生物「珍渦虫(ちんうずむし)」の新種を日本近海で発見したと、筑波大などのチームが発表しました。西太平洋では初めてで、従来の発見地より採取しやすい海域で見つかっています。体の構造が単純で、多くの動物の祖先に共通する特徴を持っている可能性があり、生物の進化について研究進展が期待されます。
「珍渦虫」は1878年にスウェーデンで初めて採取され、1949年に正式に報告されています。これまで5種が確認され、成体は体長1~3センチ程度や約20センチのものが知られています。口や消化器官はあるが、肛門のほか目や生殖器もなく、脳などの中枢神経系もない。海底をはって移動します。
チームは2013年、岩手県の三陸沖の水深517~560メートルの海底を網でさらった際に体長約1センチの珍渦虫を、2015年に神奈川県の三浦半島沖の同380~554メートルの海底では同約5センチのものを1匹ずつ採取。DNA分析で成長段階の違う同じ種の可能性が高く、海外で確認されている種とは違うことが分かりました。
これまでの採取海域は、冬に凍結するスウェーデン西海岸や、水深がある米カリフォルニア湾などに限られ、多くの個体を調べることが困難でした。採取しやすいため進化の研究が進むのではないかなと期待したい分野です。
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Posted at 2018-01-13 02:09
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Posted at 2018-01-13 02:46
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