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- 今年の読書(38)『十二年目の映像』帚木蓬生(集英社文庫)
本書『十二年目の映像』は、単行本としては、1981年に刊行されています。(集英社文庫)としては、『賞の棺』 ・ 『薔薇窓の闇(上・下)』 に続いて、2014年11月25日に発行されています。
大手放送局に勤務する25歳の<川原庸次>は、かつて学生運動に参加していたという上司<鎗居>からT大時計台闘争の時に立てこもった時計台内部から撮影したというスクープ映像の存在を聞かされます。初めは半信半疑の<川原>でしたが、十二年間にわたり地下に潜伏し続ける男<井田>と出会い、そのフィルムの存在を確信します。しかし彼の不審死を境に事態は急変していきます。テレビ局を舞台にした緊迫の長編サスペンスです。
かたや、<川原>と女優志望の恋人<和田英>との関係や、テレビ局内のドラマ制作の流れ、テレビ業界にしぶとく生き続ける業界人たちの生き様を織り込み、最後まで緊迫感をもって読み進められた一冊でした。
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