「日本郵船氷川丸」入館者数300万人@横浜市・山下公園前
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「氷川丸」は、日本と北米シアトルを結ぶシアトル航路用の1万2000トン級貨客船として日本郵船が建造、1930(昭和5)年4月に竣工しました。船名は素戔嗚尊を主祭神とする氷川信仰の神社の総本社「大宮氷川神社」(埼玉県さいたま市大宮区)にちなんだものです。
1941(昭和16)年のシアトル航路休止後、戦時中は旧日本海軍に徴用され特設病院船として使用されていました。病院船とは、戦地の病院の戦傷病者を収容し日本へ帰国させることをおもな任務とし、ほかに戦地や艦船への医薬品の補給なども担うものです。
戦後は再開されたシアトル定期航路に復帰するものの、1960(昭和35)年10月、日本郵船の客船事業撤退にともない「氷川丸」も引退しました。山下公園に係留され、一時日本郵船の所有を離れユースホステルとして利用されるなどしましたが、2008(平成20)年に「日本郵船氷川丸」としてリニューアル、竣工当時の姿に近い形に復原され現在(2019年6月)へ至ります。2016年には国の重要文化財(歴史資料)に指定され、スクリューなどは外されているものの、いまなお往時の姿をとどめています。