今年の読書(50)『凍結捜査』堂場瞬一(集英社文庫)
Aug
19
捜査を通じて交際を始めた警視庁捜査一課の<神谷悟郎>と北海道警函館中央署の<保井凛>ですが、東京から休暇で出向いた<保井>との逢瀬でしたが、函館で婦女暴行事件を起こした容疑者<平田和己>が、東部に2発の銃弾を撃ち込まれた銃殺死体で発見され、<凛>は捜査に専従。<神谷>は、東京に戻ります。
過去に、<平田>に暴行された被害者<水野珠希>を担当した<保井>は、<珠希>が行方不明であることに危惧を覚えます。<平田>の身辺調査を進めますが、手掛かりが見つからないなか、<水野珠希>が東京のホテルで<平田>と同様の手口の射殺死体で発見され、<凛>は東京出張として<神谷>と協力して東京で捜査を始めます。
そのころから<凛>は正体不明の「女」に付きまとわれ始めます。<神谷>の尾行で「女」は公安の外事関係者と判明、二つの事件は、対ロシア関係が絡んだ事件の様相を帯び、捜査は上層部より打ち切りの指示が出てしまいます。
『検証捜査』に登場した埼玉県警の<桜内省吾>、警視庁の<永井高志>や福岡県警の<皆川慶一郎>などの特殊班のメンバーが要所に顔出し、シリーズとして読んできている読者には、楽しみな彩りです、遠距離恋愛として離婚歴のある<神谷>と<凛>との今後の展開も楽しみです。
よだんですが、<凛>が捜査中、一人取り残された<神谷>は函館の町で「R」という店でハンバーガーを食べるのですが、この「R」は、「ラッキーピエロ」だと思います。