台湾の総統選挙
Dec
14
台湾では来月11日(土)、<蔡英文((ツァイ・インウェン))>総統(63)の任期満了に伴う総統選挙が行われます。
総統選挙には、与党 民進党の<蔡英文>氏が再選を目指し、最大野党 国民党からは高雄市長の<韓国瑜((ハン・グオユー))>氏(62)、少数野党 親民党トップの<宋楚瑜((ソン・チューユー))>氏(77)、の3人が立候補しています。
3年前の政権交代で中国国民党<馬英九>から<蔡英文>政権が発足して以降、将来的な台湾との統一を目指す中国政府は「1つの中国」の原則を受け入れない<蔡英文>政権との対話を停止し、外交や軍事面で圧力を強めています。
有権者の中には、こうした中国の圧力に警戒感を強め、中国の<習近平(シー・ジンピン)>国家主席が今年1月の演説で、高度な自治を認める「一国二制度」を用いて台湾を統一する意欲を表明。今夏には「一国二制度」の香港で「逃亡犯条例」改正案を巡る抗議運動と警官隊との衝突が激化し「中国と接近すれば香港の二の舞いになる」との市民の危機感が強まっています。香港で続く抗議活動に共感する人も少なくなく、選挙戦では中国との距離の取り方を最大の争点に与野党の論戦がさらに激しくなりそうです。
最新の世論調査では、中国との距離を保つ民進党の<蔡英文>氏の支持率が51%、いずれも中国に融和的な立場をとる、国民党の<韓国瑜>氏が29%、親民党の<宋楚瑜>氏が7%で、大きくリードする蔡氏を、野党候補2人が追う展開となっています。
来月11日は国会議員にあたる立法委員の選挙も行われ、与党 民進党が過半数を維持できるのかも注目されます。次期総統は2020年5月20日に就任します。