『罪と女王』@<メイ・エル・トーキー>監督
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本作は、2月に開催された「トーキョーノーザンライツフェスティバル2020」で「クイーン・オブ・ハーツ」のタイトルで特別上映された作品です。サンダンス映画祭での受賞を皮切りに、アカデミー賞デンマーク代表作品となるだけでなく、デンマーク・アカデミー賞(ロバート賞)の作品賞を含む主要9部門で受賞。北欧最大の映画賞・ヨーテボリ国際映画祭では、最優秀ノルディック賞、観客賞、最優秀俳優賞の3冠、北欧5カ国から選出されるノルディック映画賞でもグランプリに輝いています。
<メイ・エル・トーキー>監督が着目したのは「男性の権力者(王)から若い女性への性的虐待への非難は明快だが、女性権力者(女王)と若い男性の関係となると判断がグレーゾーンになる」というもの。ベルリン映画祭最優秀女優賞を獲得している名女優<トリーヌ・ディルホム>が「モンスター」へと変貌する知的な女性弁護士という難役に挑み、新星<グスタフ・リン>が大人の嘘を受け入れられない真っ直ぐな少年を演じています。
児童保護を専門とする弁護士の「アンネ」は、優しい医者の夫と幼い双子の娘たちと完璧な家庭を築いていました。そんなある日、夫と前妻との息子である17歳の「グスタフ」が問題を起こし退学になったため、スウェーデンからデンマークに引き取ることに。「グスタフ」は衝動的な暴力性があり家族に馴染もうとしませんでしたが、「アンネ」は彼を正しい方向へ導こうと努めていました。ところが、「グスタフ」と少しずつ距離を縮めていくうちに、親密さが行き過ぎてしまい、「アンネ」は彼と性的関係を持ってしまいます。やがて、それが大切な家庭とキャリアを脅かし始めた時、彼女は残酷な選択をします。
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