(写真は金星を捉えた紫外線写真)
「金星」の大気から、地球では生命体によって生み出されるガスである「ホスフィン(リン化水素)」の痕跡を検出したとする研究論文が14日、英科学誌『ネイチャー・アストロノミー』に掲載されています。米航空宇宙局(NASA)は、地球外生命体探査史上「最大」の発見だとしている
「金星」は地球に最も近い惑星ですが、日中の気温は鉛が溶けるほど高く、大気はほぼすべてが二酸化炭素で構成されていることから、しばしば地獄のような環境だと表現されています。
論文を発表した研究チームは米ハワイとチリのアタカマ砂漠にある望遠鏡を使い、金星の表面から約6万メートル上空にある雲の上層部を観測し、「ホスフィン」の痕跡を検出しています。
「ホスフィン」は地球上では有機物の分解により発生することの多い可燃性ガスです。論文の主執筆者であるカーディフ大学宇宙物理学部の<ジェーン・グリーブズ>氏は、ホスフィンが地球以外の岩石惑星で検出されたのは初めてだと説明しています。
研究チームは、「ホスフィン」の存在が金星上の生命の存在を証明するものでないと強調していますが、灼熱の金星表面を渦巻く雲は強酸性で「ホスフィン」を即座に破壊することから、「金星」に「はホスフィン」を生み出しているものが存在することが示されたとも指摘しています。
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