ラーメン店の倒産が、目立ってきているようです。今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあって、1975年創業の豚骨ラーメン「長浜将軍」が自己破産申請や1988年創業の横浜家系ラーメン「六角家本店」が2020年9月4日に破産手続開始の決定といった有名店が次々と姿を消しています。
帝国データバンクによりますと、2020年9月までに倒産したラーメン店は34件で、この時点で、過去20年で最多を記録した2019年の36件まであと2件に迫っており、このままのペースが続けば調査開始以降、「最多記録」を更新する情勢をみせています。
新型コロナウイルスの緊急事態宣言による外出の自粛で飲食店は大きな打撃を受けましたが、特にラーメン店は、デリバリー対応が難しく、コロナ禍の影響をもろに受ける形になったようです。
「そもそもラーメン店は非常に倒産しやすい業態で、データによれば、ラーメン店は1年以内に約4割が廃業し、3年以内には約7割が廃業するといいます。ひとつの理由として参入のしやすさが挙げられます。最近では麺だけでなくスープも外注のものを使用している店が増えているようです。ただ、業務用のスープを使っていては、個性を出せる味ではなく、売上を期待するのは、当初から無理からぬことでしょう。
また、ラーメン店が潰れる大きな要因として、値上げが出来ない点があるといいます。人件費も食材費もどんどん高くなっていますで、他の飲食店は値上げを敢行するところも多いのですが、ラーメンに1000円も出したくないという「1000円の壁」が根強くあるようで、大手チェーンの『幸楽苑』や『日高屋』ですら値上げしたことで客離れに悩まされている状況です。基礎体力のないラーメン店はやはりどんどん潰れますし、今回倒産が相次いだのはコロナが時期を早めただけのことのように思われます。
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