今年の読書(25)『玉村警部補の巡礼』海堂尊(宝島社文庫)
Mar
16
四国88カ所は、一度は巡礼として「歩き遍路」で回ってみたいと思いながら、<熊倉伸宏>の 『あそび遍路』 や<宮田珠己>の 『だいたい四国八十八ヶ所』 等で楽しむだけでしたが、遍路の概略の素地があっただけに、本書をより楽しめた気がします。
表題通り、リフレッシュ休暇で八十八カ所を巡ろうとする桜宮署の「玉村誠警部」になぜかデジタル・ハウンドドッグ(電子猟犬)と怖れられる警察庁の「加納警視正」が同行し、遍路先で不可解な事件にあうのですが、解決してゆく4件の事件が納められています。
前作『玉村警部補の災難』を引きずる場面もありますが、その他著作がらみの 「黄金の地球儀」 の登場などサービス描写も見受けられ、<海堂尊>ファンにはたまらない凸凹コンビのエンターティメントな一冊でした。