米国で包括的な自由貿易協定を批准するのに不可欠とされる「大統領貿易促進権限(TPA)法」が1日、3年間延長されていた期限切れを迎えています。米政府が自由貿易協定(FTA)交渉を進めるために事実上不可欠な法律で、<バイデン>政権が貿易協定を今後まとめる場合は新たな(TPA)法を成立させる必要があります。
<バイデン>大統領は国内産業の競争力強化を優先し、新たな貿易協定交渉を当面行わない方針で、議会に更新を求めませんでした。米国の環太平洋連携協定(TPP)への復帰は見通せない状況です。
(TPA)は米議会が持つ通商交渉の権限を大統領に一任する仕組みで、政府が合意した貿易協定に対する議会の修正を封じます。1970年代から成立と失効を繰り返し、直近では<オバマ>政権が(TPP)交渉を主導していた2015年に成立しました。(TPP)で再交渉を避けたい日本は、(TPA)がないと対米合意に応じないと主張してきました。
米議会や産業界では、地域的な包括的経済連携(RCEP)合意に続いて(TPP)加入を目指す中国に対抗するため、米国に(TPP)早期復帰を求める声がでていますが、<バイデン>政権は来年の中間選挙を前に、雇用を奪われるイメージがつきまとう包括的な貿易協定交渉は避けたいのが本音のようです。
バイデン政権は、(TPA)が定める交渉の原則のうち、労働や環境の規定を強化することが先決だと議会に訴えるとともに、現時点では(TPP)復帰に慎重な姿勢を貫いています。
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