ご冥福を祈ります<澤井信一郎>さん
Sep
6
<澤井信一郎>監督は静岡県浜松市生まれ。東京外国語大ドイツ語科を卒業。1961年東映に入社し、<マキノ雅弘>監督に師事。『トラック野郎』シリーズなどの脚本を多く手掛けました。助監督時代を含め、下積みが長かったのですが、1981年<松田聖子>が主演した『野菊の墓』で監督デビューしました。
<原田知世>さん主演の『早春物語』(1985年)、<後藤久美子>さん主演の『ラブ・ストーリーを君に』(1988年)などアイドル映画を手がけ、若手女優への丹念な指導で女優としての演技を引き出しました。
<澤井信一郎>監督を一躍有名にしたのは、1984年の『Wの悲劇』です。<薬師丸ひろ子>、<三田佳子>がそれぞれ売れない女優、大女優を熱演してヒットしました。報知映画賞(<三田佳子>が助演女優賞)を始め、映画賞を総なめにし、高く評価された作品でした。
『福沢諭吉』(1991年)、『わが愛の譜 滝廉太郎物語』(1993年)といった伝記映画や、ベストセラーを映画化した『日本一短い『母』への手紙』(1995年)などで叙情性豊かな人間ドラマを描くなど、演出手腕が高く評価されました。2007年にはモンゴル・日本合作の『蒼き狼 地果て海尽きるまで』(配給:松竹)を手がけ最後の監督作になりました。