神戸大学<末次健司教授>や東北大学研究チームがこのほど、国内で2種類しか確認されていない繊細なガラス細工のような花が咲くラン科植物「ネジバナ」の新種を発見しています。研究論文が17日、『ジャーナル・オブ・プラネット・リサーチ』に掲載されています。
国内ではこれまで、九州以北に広く分布して6月以降に咲く「ネジバナ」と、琉球列島に分布して3月ごろ開花する「ナンゴクネジバナ」の2種類が確認されていました。
研究グループは、九州以北の「ネジバナ」に通常より1カ月以上早く開花し、子房や花茎に毛のない個体があることに気付き、形態やDNAを詳しく分析し、新種と特定しています。新種は九州、四国、中部、関東に広く分布しますが、最も多くの個体が見つかった伊豆諸島・八丈島の名を冠し「ハチジョウネジバナ」と命名されました。
「ネジバナ」は花がらせん状にねじれてつくことから名付けられ、万葉集にも『芝付乃 御宇良佐伎奈流 根都古具佐 安比見受安良婆 安礼古非米夜母/芝付(しばつき)の 御宇良崎(みうらさき)なる 根都古(ねつこ)草(ぐさ) 逢ひ見ずあらば 吾(あれ)恋ひめやも』(第14巻3508番歌:作者不詳)と詠まれ、「あなたと逢うことがなかったならば、私はこのように恋に苦しむことはなかっただろうに」の恋の歌です。
この「ねつこぐさ」が、「ネジバナ」と推測されています。ただし、「オキナグサ」という説もあるので、実際のところはわかりません。
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